「3人…
「3人制は試合には約1年ぶりになると思うのですが、新しいコーチの下でしっかりと教えてもらい、知らなかったことも多く知ることができています。3人制を始めてから3年目ぐらいですが、今はすごく勉強しているという感覚です」
6月18、19日と2日にわたって開催される「FIBA 3x3ウィメンズシリーズ2025」と、6月23日から29日の期間で行われる「FIBA 3×3 ワールドカップ2025」に出場する3x3女子日本代表(いずれも開催地はモンゴル・ウランバートル)。その2大会の出場メンバーに名を連ねた高橋未来(アイシンウィングス)は、3x3日本代表活動についてこう語った。
3x3女子日本代表は、Wリーグや3x3の経験豊富な前田有香ヘッドコーチを指揮官に迎え、2028年のロサンゼルス・オリンピックに向けて始動した。その新指揮官とともに臨むウィメンズシリーズとワールドカップ。大会に向けて6月14日にはメディア向けの公開練習が行われ、練習では前田HCを中心に細かくフォーメーションの確認をする姿が見られた。
「学ぶことが多いです。以前は自分の持っているものを最大限出すという感じでやっていましたが、今はそれにプラスして、できないことや課題をたくさん指摘してもらっているので、まだまた難しいと感じるけれど、教えてもらっていることは理解しているので、早くできるようになりたいという気持ちです」と、高橋。加えてフォーメーションの種類が増えただけでなく、3人制を主体にプレーしている選手から、3x3ならではの細かいアドバイスなども含めて「たくさんのことを学んでいる」と、目を輝かせた。
昨年に続いて3人制での日本代表入りを果たした高橋は、京都精華学園高校(京都府)を卒業後、2020年にデンソーアイリスに入団。2024-25シーズンまで5シーズン在籍したシューティングガードだ(新シーズンからはアイシンでプレー)。そのデンソーでの最後のシーズンは、プレーオフでセミファイナル、ファイナルといずれもスターターを担い、攻防においてアグレッシブなプレーで勝利に貢献した。そうした経験もまた高橋には大きな財産となっているようで、「特にディフェンスで少しずつ自信が持てるようになったし、自分にとってプラスになりました。それにデンソーは走るチームなので、3人制は運動量が多い分、そこでの自信は(3人制に)つながるかなと思います」と、言う。
「今までは、オフェンスではスピードでドライブを仕掛け、開いたら(スペースができたら)シュート。それとリバウンドに飛び込むという感じでやってきましたが、もう少し相手(ディフェンス)との駆け引きできるように。自分のタイミングだけではなく、相手を見てもっと簡単に相手を抜いたり、駆け引きすることでもっと楽に攻めたりと、そういうプレーの幅を増やしていきたいです。3人制ではハンドラーになることもが多いので、ボールハンドリングなどの細かいスキルも磨いていきたいです」と、意気込む。来るワールドカップでは予選プールでアメリカと同組のため、「(国際大会では)初めて対戦するので楽しみです」と、声を弾ませた。
昨年は「パリオリンピック2024」の出場権を懸けた「FIBA 3×3オリンピック最終予選2024」に出場。準々決勝で敗退し、パリ行きを逃した。「3人制は責任がもろに一人ひとりが負担する感じがあって、本当に負けるとそれだけに悔しいです。ああいうプレッシャーがかかった大事な試合で負けてしまって結構精神的にきたのですが、それから3人制のいろいろなチームを見るようになって、興味も持つようになりました。勝ちたいという気持ちは強いのですが、焦らず、オリンピックを目指して練習していきたいです」と、昨年を振り返りつつ、新たな思いも語る。
「全部うまくいくとは思っていないのですが、やってきたことや自分がやりたいと思っていることを少しでもできるように。ただ、自分の持ち味も消したくないので、両方をうまくできるようにしたいです。今はやることが多いですが、何回も失敗してできたときはすごくうれしいので、やっていて楽しいです」
3人制でも5人制でも確実にキャリアを重ねてきた24歳は、高い向上心を持って今週から始まる2つの国際大会に挑む。
文・写真=田島早苗
【動画】2024−25シーズン 高橋未来ハイライト