大相撲の序二段力士、若戸桜の沢田剛さんが14日午後2時43分、外陰部壊死(えし)性筋膜炎のため、茨城県内の病院で死去した。33歳だった。日本相撲協会が15日に発表した。福岡・北九州市出身で、初土俵は2007年春場所。最高位は東序二段3枚目…

 大相撲の序二段力士、若戸桜の沢田剛さんが14日午後2時43分、外陰部壊死(えし)性筋膜炎のため、茨城県内の病院で死去した。33歳だった。日本相撲協会が15日に発表した。福岡・北九州市出身で、初土俵は2007年春場所。最高位は東序二段3枚目。春場所は西序二段52枚目で3勝4敗だった。関係者によると、数日前から体調不良で入院していたという。

 現役力士では21年春場所で当時三段目・響龍の天野光稀さんが土俵に頭部を強打し、約1か月後に急性呼吸不全で亡くなって以来の悲報だった。この日、東京・大田区総合体育館で行われた春巡業では、稽古の前に土俵周りで全力士と親方衆が黙とうをささげた。発案した境川巡業部長(元小結・両国)は「昨日(14日)式秀親方から電話があって知った。気の毒だね」と気遣った。

 式秀部屋所属で横綱・豊昇龍(25)=立浪=の付け人を務めている三段目・赤虎、序二段・豪鬼神は訃報(ふほう)を受け、巡業から離脱した。豊昇龍も「同じ力士で、同じ協会の仲間が亡くなったのは本当に残念」と神妙な面持ちだった。

 ◆外陰部壊死性筋膜炎 外傷や尿路感染などが原因となり、外陰部で急速に広範囲で炎症が起きる細菌感染症。高熱や関節痛など全身の症状と赤みや腫れなどの局所的な症状がみられる。発症はまれだが、急速に進行するため、死に至ることもある。糖尿病患者の症例が多いとされる。

 ◆若戸桜 剛(わかとざくら・つよし) 1992年2月24日、福岡・北九州市出身。式秀部屋に入門し、07年春場所で初土俵。13年11月に若戸大橋から改名。最高位は序二段3枚目。通算成績は305勝430敗7休。