◇メジャー初戦◇マスターズ 最終日(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)ロリー・マキロイ(北アイルランド)が「マスターズ」初制覇を遂げ、現代の4大メジャーのタイトルをすべて手にした。ジーン・サラゼン…

ロリー・マキロイは前年王者のスコッティ・シェフラーからグリーンジャケットを授与された(Richard Heathcote/Getty Images)

◇メジャー初戦◇マスターズ 最終日(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)が「マスターズ」初制覇を遂げ、現代の4大メジャーのタイトルをすべて手にした。ジーン・サラゼン、ベン・ホーガンゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、ジャック・ニクラスタイガー・ウッズに続く史上6人目のキャリアグランドスラム(生涯GS)を達成。2000年「全英オープン」で達成したウッズ以来、25年ぶりに歴史が動いた。

マキロイは2011年「全米オープン」を22歳で制してから、14年「全英オープン」で3つ目のメジャータイトルを獲得。同年には「全米プロ」で2年ぶり2勝目をあげたが、これまでマスターズのタイトルだけ手が届かなかった。2009年の初出場から17回目、生涯GSに王手をかけてからは11回目の挑戦で悲願のグリーンジャケットに袖を通した。メジャー5勝を振り返る。

2011年「全米オープン」 メリーランド州・コングレッショナルCC

メジャー初優勝は8打差をつける独走

2009年に欧州ツアーで、10年に米ツアーで初勝利をマーク。11年4月の「マスターズ」で単独首位から出た最終日に「80」をたたき、逆転負けした2カ月後に“リベンジ”に成功した。初日からトップを走り、「268」(通算16アンダー)は今も残る72ホールの大会最少ストロークで、2位のジェイソン・デイ(オーストラリア)に8打差をつける圧勝劇だった。

2012年「全米プロ」 サウスカロライナ州・キアワアイランドリゾート

メジャー2勝目はウッズを上回るハイペースだった

悪天候の影響で順延が重なり、最終日に27ホールを回る長丁場もなんのその。3打リードで最終ラウンドに入ると、大会史上最多となる8打差をつけて完勝した。23歳3カ月8日でのメジャー2勝目は、タイガー・ウッズ(23歳7カ月15日)をしのぐハイペース。また、大会がマッチプレーからストローク戦に移行した1958年以降では最年少優勝でもある。

2014年「全英オープン」 イングランド・ロイヤルリバプール

ニクラス、ウッズに次ぐ25歳77日でメジャー3勝目

ロースコアの展開で初日に首位発進を決め、3日目終了時点で後続に6打差をつけて独走。最終日は「71」とスコアを伸ばしあぐねたが、リッキー・ファウラーセルヒオ・ガルシア(スペイン)を1打差でかわし、完全優勝で母国のタイトルを手中にした。ニクラス、ウッズに次いで3番目に若い、25歳77日でメジャー3勝目を達成。生涯GSに王手をかけた。

2014年「全米プロ」 ケンタッキー州・バルハラGC

2つのメジャーを含む圧巻の出場試合3連勝

優勝した「全英オープン」の次に出場した当時の世界選手権シリーズ「WGCブリヂストン招待」も制し、さらに翌週のメジャーも勝利。首位スタートから、豪雨による中断で日没直後までかかったフィル・ミケルソン、ファウラーとの最終日最終組対決を制した。ウッズが腰痛など故障を理由に離脱が多くなった時期。マキロイ時代の到来を誰もが確信した。

2025年「マスターズ」ジョージア州・オーガスタナショナルGC

プレーオフを制して悲願のマスターズ初優勝を飾ったマキロイ(Michael Reaves/Getty Images)

王手をかけてから、生涯GS達成までに11年かかると思った人はどれだけいただろうか。PGAツアーのシーズン序盤戦「AT&Tペブルビーチプロアマ」「ザ・プレーヤーズ選手権」で優勝して乗り込んだオーガスタ。サンデーバックナインで4打のリードを追いつかれながら、ジャスティン・ローズ(イングランド)とのプレーオフを制して偉業を成し遂げた。