大相撲の春巡業が12日、神奈川県藤沢市の秋葉台体育館で行われ、ご当地力士の湘南乃海(27)=高田川=が地元の大歓声を受けた。稽古では懸命に土にまみれ、不本意な春場所からの巻き返しを誓った。 稽古中に場内に「神奈川県中郡大磯町出身」と案内さ…

 大相撲の春巡業が12日、神奈川県藤沢市の秋葉台体育館で行われ、ご当地力士の湘南乃海(27)=高田川=が地元の大歓声を受けた。稽古では懸命に土にまみれ、不本意な春場所からの巻き返しを誓った。

 稽古中に場内に「神奈川県中郡大磯町出身」と案内される度に、大きな拍手が起こった。欧勝馬らと相撲を取り、大関琴桜とのぶつかりでは幾度も転がされた。声援を「一番力になりますね。もっともっと頑張らなきゃいけないなと思う」と感謝した。

 春場所は3場所連続の勝ち越しを逃し、4勝11敗と大負け。新入幕の23年名古屋場所で10勝を挙げ、敢闘賞を獲得して以来、幕内を守り続けているものの、流れに乗れないと大負けする悪癖がある。

 湘南乃海は「弱いし技術もないけれど、自分のやってきたことを出すには自信を持たなきゃいけない。その気持ちを稽古場でつくらないと。ただ稽古するだけでなく、100%の雰囲気をつくって稽古することが大事」と精神面を課題に挙げた。

 師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)からは、得意の左四つの他に、右を活用するための課題を与えられているという。「自分の体も変わってくる、周りも変化していくので、変えていかないと。いろいろ考えないと」と前を向いた。

 地元の応援の中、琴桜に転がされたことを「ありがたいですね」と感謝した湘南乃海。194センチ、183センチの体には、大きな可能性が詰まっているはずだ。