「男子ゴルフ・前澤杯 MAEZAWA CUP・第1日」(24日、MZ GOLF CLUB=パー70) 衣料品通販サイト、ZOZOを創業した実業家、前澤友作氏(49)が企画した男子ゴルフツアーの新規大会で、主催者推薦出場の女子2選手が新記録…
「男子ゴルフ・前澤杯 MAEZAWA CUP・第1日」(24日、MZ GOLF CLUB=パー70)
衣料品通販サイト、ZOZOを創業した実業家、前澤友作氏(49)が企画した男子ゴルフツアーの新規大会で、主催者推薦出場の女子2選手が新記録を樹立した。女子ツアー通算2勝の菅沼菜々(25)=あいおいニッセイ同和損保、日本ゴルフツアー機構(JGTO)ツアープレーヤーの権利を女子で初めて獲得した寺西飛香留(ひかる、24)=フリー=がともにイーブンパーの70で回り74位。2005年カシオ・ワールドオープン第1日でミシェル・ウィー(米国)がマークした1オーバーを更新する女子選手最少スコアを記録した。大岩龍一が61で首位発進。石川遼(33)=CASIO=は69で67位スタート。
100万円のチケットなどプロアマ戦の収益を賞金に還元する、前代未聞の新規ツアーらしく、初日からいきなり快記録が誕生した。
女子選手による男子ツアー最少スコア。女子ツアー2勝でアイドル的存在でも話題を集める菅沼は「すごくショットの調子が良かった。記録のことは知らなかったけれど、うれしいです」とキュートな笑顔を見せた。
2ボギー、2バーディー。圧巻は最終の18番パー4。残り165ヤードから7番アイアンでピンそば70センチにつけてバーディーを奪った。13番パー3では6メートルのバーディーパットを決めた。
憧れの石川遼、片山晋呉と同組だった。「優しく話しかけてもらいましたけど、緊張して忘れました。何の話したんだっけ?」と打ち明けた菅沼。「迷惑をかけたくない」と時間をかけずアプローチ。「早いと思ったんですけど、逆にいいリズムで打てました」と、昨年からの不振脱却へ光をつかんだ。
菅沼から約2時間後、寺西もイーブンパーでフィニッシュ。最終の9番パー4では、1打目、2打目が乱れながら、ともにナイスリカバリーでパーセーブ。「オーバーパーにはいきたくなかったので」と、自然にガッツポーズが飛び出した。16番パー3では15メートルのバーディーパットを決めるなど、勝負強さが光った。
男子ツアー初出場の開幕戦、今月の東建ホームメイト・カップでは少なかったパーオンを13回に伸ばし、躍進につなげた。女子ながら270ヤード以上をかっ飛ばし、菅沼とは異なり男子ツアー出場資格を持つだけに「賞金ランキングに入る順位に」と次を見据えた。
菅沼は「迷惑をかけないように頑張ります」と控えめで、寺西は「アンダーパーで回りたかった」と強気。対照的な両者が、華やかさだけでない魅力を異色の大会に加える。
◆寺西飛香留(てらにし・ひかる)2000年9月30日、兵庫県出身。4歳でゴルフを始め、和歌山・高野山高を卒業した。男子ツアーの出場権がかかった昨年8月の予選会で規定を満たし、女子では初めてJGTOツアープレーヤーの権利を獲得した。主催者推薦で出場した今年4月の男子ツアー開幕戦、東建ホームメイト・カップは124位で予選落ちした。女子のプロテストにはまだ合格していない。157センチ。
◆菅沼菜々(すがぬま・なな)2000年2月10日、東京都立川市出身。5歳の時に父・真一さんの影響でゴルフを始め、埼玉栄高に進学。3年時に日本ジュニアを制した。18年にプロテストに合格し、同年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子でツアーデビュー。23年にNEC軽井沢72、マスターズGCレディースで優勝した。昨季は不振でシード権を喪失し、QT102位。今季は女子ツアー3戦でアクサ・レディースの43位が最高で、残る2戦は予選落ちした。好きな食べ物はうどん。158センチ。