「阪神1-7DeNA」(1日、京セラドーム大阪) 右翼の前に白球が弾むと、一塁ベンチに向かって拳を突き上げた。阪神・中野拓夢内野手(28)が開幕4試合目で待望の今季初安打。「ホッとしてるしかないでしょ」。焦りや不安もあった。そんな心のモヤ…
「阪神1-7DeNA」(1日、京セラドーム大阪)
右翼の前に白球が弾むと、一塁ベンチに向かって拳を突き上げた。阪神・中野拓夢内野手(28)が開幕4試合目で待望の今季初安打。「ホッとしてるしかないでしょ」。焦りや不安もあった。そんな心のモヤモヤを振り払い、最高の笑顔が塁上で飛び出した。
三回1死一塁。ジャクソンの変化球に食らいついた。「割り切って、思い切っていこうと思っていた」。積極的に仕掛けたことが好結果に結びついた。さらに1死一、三塁となり、すかさず二盗に成功。自慢の足でも輝きを放った。
1本では終わらない。八回無死一塁では伊勢から右前打。「楽な気持ちで打席に入れた。自分としても大きかったし、明日につながる」。凡打も紙一重の打球があり、自身にとっての“開幕”を迎えることができた。
開幕カードの広島3連戦は11打数無安打。オープン戦は打率3割超えだったが、Hランプが遠かった。「めちゃくちゃ気にしていた」と正直な気持ちを吐露。一日のオフを挟み、吹っ切れた。球場入りも爽やかにあいさつ。もう、ここからは上がるしかない。
ただ、チームは連敗。選手会長として、2番打者として責任は感じている。「打線が“線”になっていない。何とか打線で投手に援護してあげられるように切り替えてやっていきたい」。底から抜けた男の逆襲が始まろうとしている。