日本人が伝統として受け継いできた空手のスタイルとして、「形(かた)」が存在する。自己と向き合い、心身ともに感覚を研ぎ澄ます形は、空手道の大きな魅力の一つだ。  東京オリンピック2020空手女子形。日本中の期待を一身に背負った清水希容…

 日本人が伝統として受け継いできた空手のスタイルとして、「形(かた)」が存在する。自己と向き合い、心身ともに感覚を研ぎ澄ます形は、空手道の大きな魅力の一つだ。

 東京オリンピック2020空手女子形。日本中の期待を一身に背負った清水希容選手が銀メダルを獲得した。現在も一線級で活躍し、さらなる飛躍を目指すべく『森永製菓inトレーニングラボ』で鍛錬を積んでいる。美しく、切れ味鋭く人々を魅了する清水選手はどのようなトレーニングを重ねているのか。「世界で勝てるようにサポートすること」へのこだわりについて、清水選手と淺井利彰さん(パフォーマンススペシャリスト)から話を聞いた。

自身と向き合い、感覚を磨くトレーニング

 仮想の相手、見えない敵に対して攻防を繰り広げ、スピード感やパワーで表現していくのが形の特徴だ。淺井さんは清水選手の特徴を「スピード」と語りながら、清水選手のニーズや課題に合わせたトレーニングを提案している。

「『森永製菓inトレーニングラボ』に来ているアスリートは、競技力やパフォーマンスを上げる目的で来ているので、清水選手の空手のパフォーマンスがあがるトレーニングが最優先です。選手に話を聞いて、出てきたニーズ・課題に合わせて作ります」

 体の特徴から微細な感覚、戦い方の特徴など、アスリート一人ひとりによって様々な違いが表れる。だからこそ森永製菓inトレーニングラボでは、個人に合わせたオーダーメイドのトレーニングが常に重視されている。

 実戦においてたったひとりで戦う形だからこそ、トレーニングから自分に向き合い、感覚を磨いていく。清水選手も、それを理解した上で鍛錬に励んでいる。

「(同じトレーニングを)5回やった中でちょっとでも肩甲骨に寄っている感覚や、自分の中でずれを感じるので、そのずれをいかに毎回小さくするかを意識したトレーニングをやっています。形でもそれは同様です。前は『こういう意識をしたい』と思ってもできなかったことが段階を追っていくことによって『できるようになった』という瞬間が生まれたり、それが形にもつながったりとか、それを繰り返しやっています。森永製菓inトレーニングラボに来て、トレーニングもいろいろな幅がある自分と向き合って体を動かすことすべてがトレーニングなんだと知りました」

”ピシッと前を向けてくれる”心の支え

 試合では自信のある振る舞いで圧倒的なパフォーマンスを見せる清水選手だが、インタビューで意外な一面を覗かせた。

「自分はすぐ『もうだめなんですよ』と言ってしまうんです」

 そんな時、揺らいだ心を支えてくれるのも、そばで寄り添うトレーナーの淺井さんだと言葉を続ける。

「(淺井さんは)ピシッと(心を)前に向けてくれて、その時の自分の感情にあわせて言葉をかけてくれています。たぶんとしさん(淺井さん)にサポートしてもらえなくなるなら自分はもう競技いいやって思うくらいに支えになっています」

 選手をそばでサポートできる環境だからこそのやりがいを、淺井さんも感じている。淺井さんのスタンスは、選手の感情を汲み取り、消化し、よりトレーニングに真摯に向き合える環境作りを大切にすることだという。

「掲げた目標に対して一緒に走らせてもらえるのは、非常にやりがいがあります。試合の時はアスリートみんなストレスが非常にかかっているのでそこでプレッシャーを感じないアスリートはいないと思っています。そこで余計なストレスは考えずにごちゃごちゃせずに集中してもらえるような雰囲気作りができればいいですね」

 選手とトレーナーが互いにリスペクトし合いながら、「世界で勝てるようにサポートすること」を追い求めるのが、森永製菓inトレーニングラボ特有の文化だ。

思い描く形を表現する

 清水選手の目標は、来年開催される世界大会で優勝することだ。そのためにも、心身を共に育てる森永製菓inトレーニングラボでのトレーニングは欠かせない。すでに十分すぎる実績を手にしたが、新たな刺激を感じながらさらに“上”を目指している。

「今までは勝敗だけにこだわる心の持ち方がありましたが、今は空手の歴史や競技の特性などのルールに沿いながら、空手をしっかり自分の中に落とし込んで表現して、世界大会で優勝するというのが自分の目標です。空手だと煮詰まりやすいことも多いですが、ラボに来たら色々なアドバイスから発想が生まれるので、自分の空手に刺激を与えていきたいですね」

 森永製菓inトレーニングラボで身につけた心身の強靭さを持って、清水選手は世界と向き合い、思い描く唯一無二の形を表現する。

写真左:三好友香さん(ニュートリションスペシャリスト)。中央:清水希容選手 右:淺井利彰さん(パフォーマンススペシャリスト)。

清水希容(しみず・きよう)
1993年12月7日生まれ、大阪府出身。関西大学卒業、ミキハウス所属。東京オリンピック2020空手女子 形で銀メダルを獲得した。

淺井利彰(あさい・としあき)
関西鍼灸短期大学卒業、関西医療学園専門学校卒業。トレーナー、鍼灸師、柔道整復師。

森永製菓inトレーニングラボ
inブランドが契約するトップレベルのアスリートを最先端のトレーニングや栄養指導などを通じてサポートする施設。
〒135-0091 東京都港区台場2-3-2 台場フロンティアビル1階
URL:https://www.morinaga.co.jp/in/support/labo/