「海外での応援がここ一番というところでのルーティーンでした」。 昨年まで約3年間、ヨーロッパを主戦場に戦っていた。周りに日本人がいない海外での生活は新たな発見ばかりで、プレーだけでなく精神的にも成長させてくれた。 特に、コミュニケーション面…

「海外での応援がここ一番というところでのルーティーンでした」。
昨年まで約3年間、ヨーロッパを主戦場に戦っていた。周りに日本人がいない海外での生活は新たな発見ばかりで、プレーだけでなく精神的にも成長させてくれた。
特に、コミュニケーション面では学ぶことも多く、「自分から発信していくことが大事だなと感じさせられた」と話す。ただ、慣れない環境や、言語の違いに戸惑いもあった。「孤独感を感じながらプレーしていた」と当時を振り返る。

そんな中で力となったのが、日本からのファンが現地で声援を送ってくれる“柳田応援ツアー”だ。柳田を応援するために、多い時で約80人のファンが日本からはるばるドイツ、ポーランドを訪れ、試合会場で柳田にエールを届ける−といった旅行ツアーのこと。
試合では日本のファンから苗字の「柳田」でリズム良くコールをしてもらい、「普段より、モチベーションを高く保って試合ができたので改めて応援が心に響いた」。会場も大いに盛り上がり、まるで日本で戦っているような雰囲気に包まれ、「ツアーの試合では、MVPに選ばれるなど毎回いい結果が残せていたので、皆さんの応援を願掛けにさせてもらっていました」と語った。

今シーズンからは、古巣のサントリーサンバーズに復帰。慣れ親しんだ日本での応援に心は踊ったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で声援がない無観客での試合も経験した。応援が当たり前ではないことを痛感し、「無観客試合は正直コンディションを作るのがしんどかった」と漏らす。

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試合での声援が大幅に減った一方で、「SNSでの応援コメントは本当にありがたかった」と柳田。基本的にメッセージは読んでいるといい、「無観客だからこそ、いただける声というのが今まで以上に価値があるように感じた」と語気を強める。
ファンの“声”は確実に力となっており、今季リーグ戦では圧倒的な強さでレギュラーラウンドを制覇。4月4日に船橋アリーナで開催されるファイナル(優勝決定戦)に向けても、「応援に感謝するという当たり前のことを大切にしながらプレーしたい」と、12年ぶりのリーグ優勝に意気込む。

最高の“形”でシーズンを終えた直後に待ち受けるのは五輪だ。「東京五輪で結果を残すために日本に戻ってきた」。この言葉が体現できるよう、ベストコンディションで臨むのはもちろんのこと、「多くの人が注目する中、自分たちの力を100パーセント発揮できるかが勝負の分かれ目になる」と冷静に今夏を見据える。

自分たちが目指すバレーで海外のチームを倒して「メダルを獲得する」。目を輝かせながら応援してくれる未来の“日本代表”たちに、バレーボールの面白さを伝えるためにも、龍神NIPPONの“象徴”がコート上でフィーバーを巻き起こす。

〜柳田選手のこだわりはシューズのフィット感〜
バレーボールは縦と横の動きが両方激しいので、シューズがプレーに直結します。底部分の厚さをはじめ、踏み込みや、ジャンプした際のフィット感、本当に細部までこだわっています。今履いているのも、こちらから要望を伝えて完成した最高のシューズです。ベストパフォーマンスを出せる裏側には、シューズの力もあるので、試合中にそちらの方にも注目してみてください。

〜拝啓ファンの皆様へ〜
日頃より応援してくださり、ありがとうございます。今このような状況下なので、直接会場のお越しいただけるのは難しいと思いますが、オンライン上で僕たちがバレーボールを通じて何か少しでも元気や勇気を与えられたら嬉しいです。是非、皆さんにも見てほしいですし、僕たちもしっかりとしたプレーを見せたいと思っているので、引き続き応援よろしくお願いいたします。