クライミング界のニューヒロインであり世界トップクライマー野中生萌。

2016年BJC決勝、野中は完登者がいないハイレベルな課題を、怪我で血を流しながらただ一人完登した。

「できない」と思ったらそれで終わり。怪我という言い訳が嫌い。

まだ若干19歳。いかにして彼女は強靭な精神力を持つに至ったのか。

そこには「ココロ」を支える秘密のノートがあった。

Vol.2の今回は、野中生萌の「戦うココロの作り方」に迫る。

 

怪我をしてでも登るクライミング界のニューヒロイン野中生萌

(2016年BJC決勝、まだ完登者がいない課題に奮闘する野中だが、途中で怪我をしてしまう)

野中>
あれどうやって怪我したか、あんまり覚えてないんですけど。なんかこの辺から血が出たんです、手首くらいから。
結構材質とかもいろいろ、ヤスリみたいにザラザラしてるのもいっぱいあって、そういうので落ちた時に切れたんです。
それで、血が止まらなくて。
 
生島>
大丈夫なんですか。
 
野中>
やっぱ血が垂れてくるとホールドを持ってる時に滑るんで、もの凄い邪魔です。
止まってよ、って感じになって。。
 
生島>
怪我した方が燃えたりします?
 
野中>
燃えるというか、そのせいで登れなかったとかなるのが嫌なんで、そうならないように頑張りますね。
言い訳が嫌いです。だって格好悪くないですか?>
 
(野中は血を流しながらただ一人こ課題を完登した)
 
フィジカルトレーナー:小田佳宏>
「どういう登りがしたいの?」って聞いた時に魅せる登りをして、なおかつ勝てる選手になりたいと。
あの何課題目すごかったよねっていう感じの印象を残して、多分大会を終えたいんだなっていうのが見えますね。
それが多分、流血しながらでも一人だけあの課題を決めたっていう結果に繋がったのかと。
結果、大会では優勝できなかったけれど、その一課題においては、確実に生萌しか登れなかったので。
 

 

トップクライマー野中生萌の《ココロ》を支える秘密のノート

(《できない》と思ったらそれで終わり、怪我すらも野中にとっては越えるべき壁の一つだ。そんな野中の強靭なメンタルを支える1冊のノートがある。)
 
野中>
これ普通にスケジュール帳なんですけど、毎回こういうノートを年ごとに変えるたびに、新しくなっても毎回描き続けてることがあって、それがこれなんですけど。  

  • 負けたくないなら強くなれ。
  • 傷着いた分だけ、優しくなれ。
  • 遅れた分は取り戻せ。
  • 転んだら何度も立ち上がれ。
  • 「今に見てろ」と笑ってやれ。

 
生島>
ちょっともう10代とは思えないような言葉が、最後とか並んでますけど。 その中でもお気に入りの言葉とかあるんですか?

野中>
「負けたくないなら強くなれ。」っていうのを多分永遠に思うんだろうなと。これは競技をしている以上。自分が上を目指し続けている以上、多分に常に思ってる言葉かなと。
でもまあそういうのも全て含めて、「今に見てろと笑ってやれ」っていうのは自分がこの中では好きですね。
めちゃめちゃ前向きな言葉ですよね。
毎年たくさん大会に出て、いろんな経験をして新しい手帳に毎回書くじゃないですか。
けど、毎回新しいところに書いてるんだけど、そこに書いてるときにはもう今までのいろんな気持ちとか、経験とかがあってのこの言葉なので。
 
生島>
毎年意味が変わってくるんですね。
 
野中>
でもやっぱりその通りだなって思うんですよね。いきつくのはやっぱりこういう考え方というか。