厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第10回:ヴィルヘルム

 夏競馬真っ盛りのなか、話題の2歳馬がまもなくデビュー戦を迎える。

 栗東トレセンの池江泰寿厩舎に所属するヴィルヘルム(牡2歳/父エピファネイア)である。


スタッフが

「乗りやすいタイプ」と言うヴィルヘルム

 同馬が注目されるのは、祖母がブロードアピールで、2018年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制したワグネリアン(牡5歳/父ディープインパクト)と、従兄弟という関係にあるからだ。

 2017年の夏にデビューしたワグネリアンは、無傷の3連勝でGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)を制覇。父譲りの切れ味鋭い末脚を武器にして、翌春のクラシック候補に早々に躍り出た。

 しかし年が明けて3歳になると、2歳時の勢いが見られず、前哨戦のGII弥生賞(中山・芝2000m)で2着。クラシック第1弾のGI皐月賞(中山・芝2000m)では、7着という結果に終わった。

 おかげで、ダービーでは人気が急落。5番人気の低評価となったが、この大一番でワグネリアンは見事な復活を果たす。8枠17番という外枠発走となったが、強気な先行策をとって快勝。この世代の”主役”らしい走りを披露し、輝かしい栄冠を手にした。

 その後、GIでの勝利はないものの、GI戦線で奮闘。昨年のGI大阪杯(阪神・芝2000m)やGIジャパンC(東京・芝2400m)では3着と善戦し、今後の活躍も期待されている存在だ。

 そのワグネリアンの近親となるヴィルヘルム。すでに池江厩舎に入厩し、デビューに向けて着々と準備を重ねている。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「担当するスタッフは、ヴィルヘルムについて『おとなしくて、扱いやすいタイプ』と話していますね。総合的に”乗りやすい馬”という評価です。まだ緩い面を残しているみたいですが、『追い切りを重ねるにつれて、緩いなりに動けるようになっている』とのことです」

 また、調教を手がける別のスタッフからは、こんな評価が聞かれたという。トラックマンが続ける。

「やはり『緩さは感じる』という前置きはありつつも、『走り自体はいい』とそのスタッフは言っていました。現状では、『身軽いスピードタイプ』と評しています。ただし、スピードタイプとは言っても、距離は長めのほうがよく、瞬発系というよりは、『長くいい脚を使うイメージ』だそうです」

 デビュー戦は、8月9日の2歳新馬(新潟・芝2000m)を予定。その初陣でどんな走りを見せてくれるのか、要チェックである。