阪神の原口文仁がプラスワン投票で選出され、2016年以来3年ぶり2度目のオールスター出場を決めた。

 不屈の男だ。帝京高から2009年にドラフト6位で阪神入り。下積みが長く、2013年には育成契約となった。その間、椎間板ヘルニアや左手骨折、右肩脱臼と故障に悩まされたが、諦めることなく鍛錬を続け、2016年4月に支配下登録に復帰すると、同年5月に月間MVPを受賞するほどの大活躍を見せてオールスター初出場。

 昨季も故障離脱がありながら、代打で計23安打を放って球団シーズン最多記録に並んで見せた。

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 予期せぬ宣告は、昨年末だった。人間ドックでの診断名は「大腸がん」。だが、この困難にも不屈の闘志で立ち向かった。今年1月末に手術を終えたことを報告すると、辛いリハビリを乗り越えて3月上旬に2軍に合流。

 そして6月4日の千葉ロッテ戦で1軍に復帰すると、いきなりタイムリー2塁打を放ち、さらに同9日の日本ハム戦では劇的なサヨナラ打。お立ち台で「みんな、ただいまー!」と叫び、甲子園を歓喜と感涙の渦に飲み込んだ。

 そしてプラスワン投票の条件である「10試合以上または20打席以上」を無事にクリアし、最後の残り1枠に滑り込んだ。「日本中の人たちが注目する試合だと思うので、元気な姿を見せて、結果は後から付いてくるものだと思うので、全力で思い切り野球をやっている姿を見てもらいたいと思います」と原口。

 ファンに向けて、「たくさんの方に票を入れていただいたことに感謝の気持ちで、本当にありがたく思います」と感謝するとともに、「自分自身久しぶりのオールスターなので勉強もさせてもらいながら、野球を思い切り楽しめたら、最高の結果になるのではないかなと思います」と意気込んだ。

 難病を乗り越えた男が、夢舞台でどのような活躍を見せるのか。その姿を見せるだけで、多くの人は勇気をもらえる。