-Ballpark Tripの記事一覧はこちら- 2019年4月、明治神宮野球場(以下、神宮球場)に新たな名物となるかもしれない店舗がオープンした。内野一塁側5番入り口を抜け、すぐ目に飛び込んでくる「つばめ食堂」である。つばめ食堂の店舗外観…

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 2019年4月、明治神宮野球場(以下、神宮球場)に新たな名物となるかもしれない店舗がオープンした。内野一塁側5番入り口を抜け、すぐ目に飛び込んでくる「つばめ食堂」である。

つばめ食堂の店舗外観

 「つばめ食堂」は、「養老乃瀧」や「一軒め酒場」といった居酒屋の業態を多く手がけている養老乃瀧株式会社の新業態だ。もしかしたら「一軒め酒場」と「つばめ食堂」のロゴを見たときに、勘のいい人なら気づいていたかもしれない。

 同社にとって居酒屋としての実績は申し分ないが、テイクアウト専門店は初の試み。開幕してからおよそ2カ月が経過したが、その売れ行きはどうなのだろうか。

 笑顔の絶えない齋藤リーダーに話を伺ってみると、想像以上に好調だという。筆者もプロ野球開催日は必ず神宮球場に足を運んでいるが、店舗の前に多くの人が並んでいるのを目にしたのは一度や二度ではない。やはり売上は好調だったようだ。

つばめ食堂の従業員の方の仕事の様子

 人気メニューは山田哲人選手のプレイヤーズグルメでもある「ミスタースワローズ哲人のナンバー1カレー」だ。大きな丸皿の真ん中には背番号1をあしらったご飯。そのまわりを囲うようにカレーのルーが敷き詰められ、ゆで卵、牛肉、チーズと3種類のトッピングでトリプルスリーを表現している。

 カレーのルーは決して辛くなく、小さいお子様でも食べられる仕上がり。また、インスタ映えも狙えるような盛り付け。神宮球場において新たな定番商品となりうる可能性を秘めた商品と言えそうだ。

 そんな山田哲選手と同じく人気となっているのが、村上宗隆選手のプレイヤーズグルメ、「熊本県出身 村上宗隆の高菜めし牛丼」だという。こちらは、村上選手の本塁打が飛び出した後によく売れると齋藤リーダーが教えてくれた。

 チームの主力である山田哲選手と村上選手はつばめ食堂でも主力(商品)となっているのである。もちろん、その他にも養老乃瀧で定番となっている「養老牛丼」や「肉うどん」など定番の商品も取り揃えている。

つばめ食堂の名物パイン氷

 そして夏場に向けて売上が上がってきそうなのが、「パイン氷」である。これまでもスタジアム売店では販売されていた人気商品。今年はつばめ食堂でも販売が行なわれる。齋藤リーダーも神宮球場の名物にしたいと意気込んでいるパイン氷。

 片手でも持ちやすい容器に氷がたっぷりと詰め込まれ、頂上にはパインの果肉がどっさり。一目見ただけで涼しくなりそうな気配すら漂っている。こちらもインスタ映えを狙えそうな逸品だ。

 阪神甲子園球場の「かち割り氷」、横浜スタジアムの「みかん氷」がロングセラー商品となっているように「野球場 ✕ 氷」は相性がいい。ボリュームたっぷりのパイン氷が、新たな神宮球場名物となってもおかしくはなさそうだ。

パイン氷を手にする齋藤リーダー

 養老乃瀧グループでは企業理念として「美味しい酒と料理、笑顔で、安心して楽しく過ごせる時間や空間を提供します。」(一部抜粋)と掲げている。

 齋藤リーダーもここを強調していた。ただ食べる、飲むだけでなく、楽しい空間(場)を提供することは、座席のないテイクアウト専門店であっても変わらない。スタジアムという空間を多くのファンに楽しんでもらうために、店舗スタッフ全員が笑顔を欠かさず、おいしい食事を提供し続けてくれることだろう。

 今はオープン1年目のルーキーだが、齋藤リーダーや店舗スタッフの笑顔を見る限り、きっと数年後には神宮定番の主力店舗となっているはずだ。

(記事:勝田聡、撮影:WoodStock)