阪神から育成ドラフト2位で指名された山崎照英外野手(22)=関西独立リーグ兵庫=が18日、西宮市内のホテルで入団交渉に…
阪神から育成ドラフト2位で指名された山崎照英外野手(22)=関西独立リーグ兵庫=が18日、西宮市内のホテルで入団交渉に臨み、支度金300万円、年俸300万円で仮契約を結んだ。九州文化学園高時には食物調理科に在籍していた異色の経歴を持つ22歳。週に1度の調理実習で鍛えた料理力でプロ入りに向けて増量し、セ・リーグ初の育成出身盗塁王を目指す。(金額は推定)
山崎にはプロ野球選手として珍しい特技がある。「調理実習が週1で絶対あって、栄養の勉強はほぼ毎日やっていました」。高校在学時には調理師免許を取得。現在もなるべく3食を自ら調理して生活しているという。
大好物の唐揚げや野菜などを中心に食生活を組み立て、体脂肪率は9%から10%を維持。「僕のタイプ的に増やしすぎてもダメなので、十分注意しながらやっていきたい」。快足自慢で、体重は67キロと身軽だが「70ぐらいには持っていって、体幹とかもきっちり鍛えながらやっていきたい」と、自身の手料理などでプロ入りに向けて3キロの増量をもくろむ。
5日には帰省のタイミングで母校へ凱旋。全校生徒の前であいさつを行った。「母校から初めてのプロ野球選手。期待に応えられるように。一日でも早く支配下になって後輩たちにも夢を与えられるように」。プロとしての自覚が芽生え、気持ちが引き締まった。
憧れていたプロ野球の舞台。「非常に楽しみですし、わくわくしています」と気持ちは高ぶる。関西独立リーグでは40試合で74盗塁をマーク。期待がかかるタイトルは盗塁王だ。セ・リーグで育成出身での獲得となれば史上初の快挙となる。
規格外のスピードを筒井担当スカウトも「(盗塁を)仕掛けていける勇気とか気持ちの強さは実際に見に行って感じた。十分その(盗塁王の)素質はあると思います」と評価。ある意味怖いもの知らずな快足ルーキー。異色の経歴を生かし、がっちりとしたプロ体形で虎の門をたたく。
◆山崎 照英(やまさき・しょうえい)2002年12月1日生まれ、長崎県出身。174センチ、67キロ。右投げ左打ちの外野手。九州文化学園から進んだ関西独立リーグ兵庫では、24年から2年連続で盗塁王を獲得。50メートル走5秒8の俊足を武器に、高い盗塁技術と広い守備範囲を持つ。