「練習試合、阪神0-4中日」(16日、安芸市営球場) 阪神・藤川球児監督(45)が16日、来春キャンプの宜野座組(1軍…

 「練習試合、阪神0-4中日」(16日、安芸市営球場)

 阪神・藤川球児監督(45)が16日、来春キャンプの宜野座組(1軍)に、高卒2年目の百崎蒼生内野手(20)と1年目の育成・嶋村麟士朗捕手(22)を抜てきする意向を示した。ともに初の宜野座組となる。他に門別啓人投手(21)、木下里都投手(24)、井坪陽生外野手(20)も加えた5選手の来春宜野座組スタートを明言。球団初の連覇を目指す来季へ向けて、戦力底上げとなる若虎の台頭に期待を膨らませた。

 秋季キャンプの打ち上げを待たずして、異例の早さで春季宜野座組チケットを授与した。中日との練習試合は2戦連続無得点に終わったが、指揮官は「良かった選手はメモしてます」と切り出し、当確メンバーを列挙。「門別と百崎と嶋村と井坪と、木下も一応マークしてますけど。その5名ですかね」と来春の宜野座スタートを告げた。

 大抜てきとなったのが百崎と嶋村だ。育成の嶋村はもちろん、百崎もシーズンでの1軍経験はなし。百崎は昨秋の安芸キャンプに帯同すらできず鳴尾浜残留だっただけに、1年で期待値は急上昇となった。

 「百崎は大きなケガで。顔に当たりましたから。だけど、その中からいいものを見せていますからね」。8月1日のウエスタン・オリックス戦で顔面に死球を受け、下顎骨骨折で整復固定術を受けた百崎は、11日の練習試合・中日戦で約3カ月ぶりの実戦復帰。第1打席でいきなり二塁打を放って完全復活をアピールしていた。

 この日も「3番・三塁」でスタメン出場。初回1死一塁で左前打をマークしてチャンスを広げた。守備では二塁、遊撃にも就いて3ポジションをこなし、ユーティリティーぶりを発揮した。

 もう一人の注目株である嶋村はこの日、藤田と1イニングごとに交代でマスクをかぶる変則出場となった。藤川監督は試合直後のグラウンドで、嶋村、藤田、コーチ陣らと10分に及ぶ“公開ミーティング”。対話を振り返りながら「リードの配球というところでは、理解できる部分があったので良かった。座りがいいですよね、キャッチャーとして」と評価した。

 嶋村は13日に臨時コーチを務めた糸井SAから「本当にいいスイング」と太鼓判を押された打棒でも、結果を残した。五回1死で右前打を放って2打数1安打。「テンポとか体のキレっていうものは、まだ1軍を経験してませんから。それを経験する必要もある。実戦派だと思いますから、大きく飛躍するとかではなく、競争の中には入ってくるんじゃないかと」。打って守れる捕手への成長を促した。

 安芸で輝きを放った2人の若虎。覚醒へのチャンスは与えられた。秋季キャンプは17日に打ち上げられるが、オフ期間も進化の歩を進め、来年2月1日の宜野座で再び指揮官と顔を合わせる。