<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター西前頭2枚目の若元春(32=荒汐)が、技能に優れた相撲で東前頭5枚目…

<大相撲九州場所>◇8日目◇16日◇福岡国際センター

西前頭2枚目の若元春(32=荒汐)が、技能に優れた相撲で東前頭5枚目の義ノ富士(24=伊勢ケ浜)に勝った。

左四つの若元春と、右四つの義ノ富士とのケンカ四つ。「右四つでは勝てないと思った。右をのぞかせたらダメ」と若元春。立ち合いの当たりで押し込まれたが、左でおっつけ、差し勝った。右を使って残し、得意の形を作りながら逆襲し、右で豪快に寄り倒した。

鮮やかな左の使い方にも「完璧なら土俵際に押し込まれていませんよ」と言ったが「相撲の内容が自分の思い描いているものに近づいているのかな。四つに組んでからの流れは、(相手が)投げにきても対応できた」と自らに及第点を与えた。

求める相撲は果てがない。「左四つにもってくるまでの流れがずっと課題。その課題はクリアできないので、勉強だと思っています」。理想が高いのか? 「理想はみんな高いと思う。そこにどれだけすり寄せていけるかという感じなので、今日1日の勝ちを拾いにいく相撲も大事だけど、根本的な自分の相撲がしっかりしていないと、たまに拾うこともなくなると思う。考えないことは、やめないようにしています」。

3連勝で4勝4敗の五分になった。ただし、若元春が求めるものは、そこにない。「星の並びはまったく気にしていない。思い描いている相撲が100%出ることは、ほぼないと思っている。その中でどれだけ考えて土俵で出せるか。そこに勝ち負けは関係ない。負けていいとは思っていないけど、自分の相撲が出せたことと、勝ち負けは関係ない」。

勝ち負けに一喜一憂していると、乗り越えることが難しい15日間。若元春の「左四つ」へのこだわりは半端じゃない。