無敗の格闘家で、プロボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)がプロ8戦目で迎えた世界初挑戦に向けて練…
無敗の格闘家で、プロボクシングWBC世界バンタム級1位の那須川天心(27=帝拳)がプロ8戦目で迎えた世界初挑戦に向けて練習を公開した。
24日、トヨタアリーナ東京で、同級2位の元WBA世界同級王者井上拓真(29=大橋)との同級王座決定戦を控え、那須川は「新しいボクシング、『シン・ボクシング』と言いますか、そういうスタイルが出せるというのは自分の中であります」と自信の笑みを浮かべた。
練習パートナーとして呼んでいるWBO世界同級14位セレックス・カストロ(25=メキシコ)との2回のスパーリングでは効果的に右ジャブを使いながら左ストレート、左ボディーストレートなどを打ち込み、順調な調整ぶりを示した。以前よりも少し上体が立ち、両肩や両腕からは無駄な力が抜けており、那須川は「しっかりと量をやってから質を求めてきて、こういう形になった。型にはまらない、逆に型にはめてしまう、何かそういう展開をできるんじゃないかな。自分で自分を動かすというのが本当に見つかった。そこがしっかりとはまれば、何か面白いことが起こるんじゃないかと思っています」と「シン・ボクシング」への確かな手応えを示した。
公開練習には井上陣営として大橋ジムのトレーナーの北野良氏、鈴木康弘氏といとこの井上浩樹が視察していたが、スパーリングに加え、元世界2階級制覇王者の粟生隆寛トレーナー(41)とのミット打ちを1ラウンド、シャドーボクシングと次々とメニューを消化した。キック時代を通じ、敵陣営の視察を受ける中での公開練習は初体験だった。那須川は「スパーリングもどこまでやっていいんだろうとか。考えはしましたけど、別に隠すこともないので普通にそのままやりました」と口にした。
対戦決定時に「ザ・ボクシング」と表現してきた元世界王者井上との対決まで残り2週間を切った。減量の残り3キロ弱と順調そのもの。現在のコンディションを維持しながら最終的な仕上げに入る。那須川は「やっぱりボクシング界と言えば井上兄弟だと思う。本当に純度の高い格闘技の試合ができるというか、こういう試合を自分の中でも求めていたし、お客さんも求めていたと思う。本当に強いもの同士が戦うという、本当にそれだけを楽しみにしてもらえればうれしい」と声をはずませていた。