<プロボクシング:ホープフルファイトVol44大会>◇5日◇東京・後楽園ホール日本バンタム級6位の西岡怜央(25=川崎新…
<プロボクシング:ホープフルファイトVol44大会>◇5日◇東京・後楽園ホール
日本バンタム級6位の西岡怜央(25=川崎新田)がタフなアジアランカーに敗れ、初黒星を喫した。東洋太平洋バンタム級14位エイドリアン・レラサン(26=フィリピン)との同級8回戦に臨み、1-2(77-74、73-78、74-77)の判定負け。プロ7戦目でほろ苦い敗戦を味わった。4度目のメインイベントで勝ち星をつかめなかった西岡は「大きいところので(勝利を)ものにできない実力のなさ、自分の弱さを思い知った」と両肩を落とした。
サウスポースタイルから手数多く好戦的なレラサンに対し、西岡は冷静に左ジャブ、右ボディーで対抗。足を使いながら前に出る相手に対処しながらボディーを打ち込んだ。終盤に入ってもタフなレラサンのプレスを受ける展開が続き、最終8回には右フックでダウンを喫した。西岡は「相手のエイドリアン選手のパンチを受けすぎた。最後のダウンがなかったとしても負けていたと思う。ロープ際に詰められてパンチを受けてしまうのはいつもの癖。それがマイナス点だと分かっていた。その中で狙っていく練習もしていたが、出せなかったしはまらなかった」と猛省した。
対戦相手のレラサンが24年10月、元WBC、IBF世界バンタム級統一王者中谷潤人(27=M・T)の盟友となるエイドリアン・アルバラード(26=米国)と大接戦を繰り広げた動画をチェック。西岡は「想定外なところがなかった。勝った方のアルバラード選手は自分から打っていった。自分は受けて返したり返さなかったして印象が悪かったと思う。受けて返すばかりでなく、大きいパンチにカウンターを合わせて細かいパンチを打つ想定だった。自分がパワーで押し負けた」と振り返った。
日大ボクシング部の先輩となる東洋太平洋ランカーだった神足茂利さんが8月のタイトル挑戦でのリング事故で亡くなった。今回は神足さんの入場曲を使用。入場Tシャツも神足さんの姿をプリントしていた。リングサイトには神足さんの兄で松田ジムのトレーナー、昌冶氏も応援に駆けつけていた。
西岡は「(神足さんの)タイトルマッチも応援に行って試合内容に感動しましたし。大一番で最大限を出せるのはすごい。そこを学ぼうと思って。チャンピオンになるはずだった方の思いを背負ってリングに立ったのですけど…。自分がふいにしてしまって、思いに応えられなかった」と肩を落としていた。
高校2年時に全国選抜で優勝するなどアマ戦績53勝15敗の西岡は名門・日大でもレギュラーとして出場し、主将も務めた。所属ジムの新田渉世会長が「秘密兵器」という期待を背負い、23年8月の6回判定勝ちデビューから6連勝。日本ランキングも6位まで上昇していた。西岡は「ランキングも順調に上がり、この試合に勝って『先に』の気持ちだった。1歩ではなく、2~3歩遠ざかってしまった」と唇をかんでいた。
◆西岡伶央(にしおか・れお)2000年(平12)5月23日、東京・稲城市生まれ。幼少時代からキックボクシングをはじめ、小学3年から川崎新田ジムでボクシングの練習を開始。小学6年時にU-15(15歳以下)全国大会優勝。中学1年でボクシングに専念。花咲徳栄高に進学し、ボクシング部に所属。高校2年で全国選抜(バンタム級)で優勝。日大進学し、主将を務める。好きな選手は元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)。家族は両親と妹。身長170センチの右ボクサーファイター。血液型はO。