ここにきて手腕を問う声が強まっているロバーツ監督。しかし、チーム内からは不満の声は聞こえてこない(C)Getty Ima…

ここにきて手腕を問う声が強まっているロバーツ監督。しかし、チーム内からは不満の声は聞こえてこない(C)Getty Images

 常勝軍団を率いる指揮官への風当たりはいつの時代も厳しい。わずかな采配ミスが時に進退を問う論争へと発展する。

 それを物語ったのが、去る10月6日(現地時間)に行われたフィリーズとの地区シリーズ第2戦でドジャースのデーブ・ロバーツ監督が見せた継投策に対する反響だった。

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 この試合でドジャースは4-3で勝利したものの、3点をリードした9回にブレーク・トライネンが2失点と“炎上”。やむを得ずにロバーツ監督はアレックス・ベシアと佐々木朗希を矢継ぎ早に投入する“ドタバタの采配”を振るった。

 3点をリードした展開を考えれば、救援として今ポストシーズンから本格稼働し、実質クローザー的な役割を担っている佐々木の投入が必然的。さらにレギュラーシーズン最後の10試合で防御率11.74と打ち込まれていたトライネンの状態もあって、ロバーツ監督の手腕には疑問の声が噴出。勝ったにもかかわらず、「完全に誤った判断」と痛烈な批判を受けている。

 もっとも、苛烈化した世間の見方とは裏腹に、チーム内でのロバーツ監督に対する信頼は微塵も揺らいでいない。米紙『USA Today』の取材に応じたムーキー・ベッツは、「時に父親のようでもあり、時にはコーチのようでもある。僕に対しては、本当に様々な役割を担ってくれる。彼が大好きだよ」と強調。球界屈指のタレント軍団を率いる価値を説いている。

「これだけ才能がある選手がいるチームで162試合を戦うのは本当に大変なんだよ。全員の個性をうまくまとめるのは誰だって簡単じゃない。でも、彼は常に『君たちを信じている』『愛している』と伝えてくれる。言葉だけでは説明しづらいが、彼は完璧にやり遂げる。間違いなく、僕がこれまでに出会った中で最高の監督だ」

 また、35歳のベテラン打者マックス・マンシーも、「厳しくも、愛してくれた。そのことに疑問を持ったことは一度もない。彼はいつも俺を支えてくれたんだ」と明言。表舞台からは見えにくい指揮官の気遣いを語る。

「彼はいつも俺に対してすごく厳しい。高い基準を私に求めてくるんだ。でも、それは彼が俺のバックボーンを理解しているからこそできることの一つだ。(厳しく接しても)俺ならうまくやっていけるって分かってくれているんだ。

 そして、ドッグ(ロバーツ監督の愛称)は誰よりも選手を守ってくれる。舞台裏で何が起こっているかを知っていても、決してそれを表に出すことはない。本当にチーム全員を支えてくれる。そして、誰かを犠牲にするようなことも決してしない。場の空気を読むのが本当に上手い。何かがうまくいかなかったら、たとえそれが彼にとって不公平だとしても、責任を受け入れる。それが彼のやり方なんだ」

 結果が何よりも求められるシビアな世界だ。その中にあって、常勝軍団で9年にも及ぶ監督キャリアを積み重ねるロバーツ監督の存在は稀有。わずかな失敗はあろうとも、彼の存在をなしに、今のドジャースは語れないのも事実と言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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