決勝をかけて行われた今日の早大戦。法大は投手陣を大幅に入れ替えての試合となった。立ち上がりから両校の先発ともに安定した投球を見せ、接戦を繰り広げる。延長は、タイブレーク制度が適用されピンチを背負ったものの、朝山広憲(法2)、高氏祥太(文2)が要所要所をきっちり抑える好投を見せる。相手の失策もありタイブレークを制した法大は、明日の決勝へと駒を進めた。

 

 チームとして多くの課題が残った東大戦から一夜明け、爽やかな秋晴れの中行われた早大戦は大混戦だった。

 先発はリーグ戦登板経験のある鈴木昭汰(キャ1)。外角低めの安定した投球で初回無失点に抑える。しかし2回、無死走者なしの場面で高めに浮いた初球を7番富田直希がレフトスタンドへ。しかし、先制こそ許しはしたものの、後続を三振で抑え追加点を与えなかった。

 「先頭、出ようぜ」。ベンチからの掛け声とともに始まった5回。先頭打者の4番羽根龍二(社1)がチーム初安打となる中前安打で出塁。5番福田光輝(人2)の犠打と6番村田雄大(人1)の進塁打で三塁へ進む。そして7番札葉弘樹(経2)の左前適時打で同点に追いついた。

 しかし、6回から9回まで打線が繋がらず無得点のまま、連盟規定によりタイブレークでの延長戦となる。11回には1死二、三塁で9番柴田迅の打球は遊撃手へ向かうも福田の好送球で生還を阻止。ピンチを迎えるも、この好守備で一気に試合の流れを引き寄せた。その裏、先頭の代打宮本隆寛(人1)の犠打で1死二、三塁とすると、続く2番西山翔真(法2)の打球はサード正面へ。ここで早大・吉澤一翔の痛恨のエラーで宮崎佑太(法2)が生還。サヨナラ勝利をおさめ、決勝へ駒を進めた。

 今日の勝利の背景には投手陣の活躍があった。6回、2死満塁の場面では柏野智也(営1)が気迫のピッチングで追加点を与えなかった。7回で交代した朝山広憲(法2)は、キレのある直球で10回までを無失点に抑える。11回には高氏祥太(文2)が登板し、1四球を許すも、最後は三振で早大打線をシャットアウト。およそ3時間にわたる接戦を投手リレーで制した。

 明日の決勝カードは、リーグ戦で2連敗を喫した明大。今大会では慶大にコールド勝利、また立大にも快勝し勢いがあるチームである。だが、何としてもこの「血の法明戦」を制し、昨年秋以来の優勝を遂げたいところだ。王者復活の懸け橋とするために。(梅原 早紀)

 

クローズアップ

 朝山広憲(けがを乗り越え復活した実力派右腕 来年の躍進への第一歩)

 1対1の同点で迎えた7回表。朝山が今季初めて神宮のマウンドに立った。変化球とストレートを巧みに使い分け、打者を翻弄。味方の援護を待ちつつも、粘投を続けた延長10回。タイブレーク制により一、二塁に走者を抱えると、相手の犠打が成功し1死満塁。「もう前に飛ばさない」。朝山の強気のストレートで相手打者を三振と凡退に打ち取り、最大のピンチを切り抜けてみせた。朝山の力投に応えるようにチームは決勝点をもぎ取り、明日の決勝進出を決めた。

 高校時代を過ごした作新学院では、1年生春からベンチ入り。エースとしてチームを甲子園へも導いた。順風満帆と思えた野球生活。そんな彼を襲ったのは、ひじのけがだった。最後の甲子園でエースとしてマウンドに立つこともかなわず。法大入学後も2年春のフレッシュリーグまで投球することはできなかった。

 「来年の春、リーグ戦で投げたい」。平坦な道などない。紆余曲折を経て、投手として一回り成長した朝山がこの言葉通り、リーグ戦で躍動する姿に期待したい。(大平佳奈)