「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

岩見 雅紀 いわみ・まさき
比叡山高→慶應義塾大
外野手・右投右打・187センチ108キロ・1994年7月10日生(23歳)

 

 正真正銘のスラッガーだ。187センチ108キロという日本人離れした体格で本塁打を量産する。そのペースが凄まじい。

 比叡山高時代は、高校通算47本塁打を放った。当然多くの大学から誘いを受けたが、憧れていた慶大に一浪を経て入学した。

1年時は試合出場が無く、2年春も3打数無安打。本塁打は2年秋でようやく2本塁打を記録した。
 だが3年時は春秋合わせ22試合で7本塁打を放つと、今年は25試合で21安打のうち12本塁打(連盟新記録)と驚異のペースで本塁打を量産している。また、齊藤大将(明大)、宮台康平(東大)、田中誠也(立大)、菅野秀哉(法大)と相手校のエースからも軒並み本塁打を放っており、打った瞬間に本塁打と分かるものも多い。
 通算21本塁打は、10月28日からの最終週・早慶戦で、通算1位の巨人・高橋由伸監督(慶大)の23本、2位の田淵幸一氏(法大)の22本を上回ることが期待されている。

 そして、大学球界で最も観衆を集まる早慶戦で優勝がかかっている。岩見が入学直後の春に慶大は優勝を果たしているが、岩見の出場は無かった。今春は優勝にあと一歩まで迫ったが、早慶戦で10打数無安打と気持ちが空回りしただけに、今回にかける思いは人一倍だ。
 直近の立大2回戦(10月17日)では、「ストレートに振り負けないように」と思っていたそうだが「体が上手く止まってくれました」と変化球を上手くすくい上げると打球はバックスクリーンに直撃する文句無しの本塁打となった。指導する元プロ野球選手の大久保秀昭監督も「よく飛びましたね」と目を丸くした。
 
 この秋の本塁打量産にはスカウトの評価も急上昇中でドラフト上位候補との声も挙がってきた。守備や走塁はお世辞にも良いとは言えないが、内野ゴロでも懸命に走る姿がチームの士気にもたらす影響が大きいのは間違いない。

 念願だったプロ入りと本塁打記録は当然頭から完全に離れることはないだろうが、「自分のことよりもチームの勝利。優勝のために打つだけです」と自らに言い聞かせるように繰り返す。
 ドラフトの結果とともに、学生生活最後の勇姿にも目が離せない。

文・写真=高木遊