「広島7-1中日」(15日、マツダスタジアム) 憧れていたマツダスタジアムでお立ち台に上がる。広島・ドミンゲス投手は目を輝かせながら球場を見渡した。本拠地初登板で、5回3安打1失点の粘投。来日初勝利を手にし、鯉党の歓声に日本語で応えた。 …

 「広島7-1中日」(15日、マツダスタジアム)

 憧れていたマツダスタジアムでお立ち台に上がる。広島・ドミンゲス投手は目を輝かせながら球場を見渡した。本拠地初登板で、5回3安打1失点の粘投。来日初勝利を手にし、鯉党の歓声に日本語で応えた。

 「ハジメマシテ、ドミンゲスデス。ヨロシクオネガイシマス」

 球数は5回で95球。打線の援護をもらいながら苦しい投球だった。3盗塁を許すなど、三者凡退は五回のみ。それでも三回に浴びた上林の適時打のみでしのぎ、「1失点で抑えたのはよかった」と胸を張った。

 過去に母国・ドミニカ共和国にあるカープアカデミーに所属していた右腕にとって、マツダでの登板は夢だった。その舞台で初白星を手にし、「夢がかなったよ」とかみしめるように喜びを口にした。

 故郷にささぐ力投だった。ドミニカ共和国で8日(日本時間9日)に起こったナイトクラブの天井崩落事故。幸い、身内に被害者は出なかったが「家族を失った人たちのニュースを見て、すごく心を痛めている」と気に掛けていた中での初勝利。暗いニュースに包まれた母国にも、朗報が届いているはずだ。

 チームの連勝を継続させ、試合後は終始、ほっとした表情だったドミンゲス。「試合の中では自分のやりたいことは完璧にはできなかったけど、チームが勝つことができてよかったです」。忘れられない1勝を活力に、異国の地で腕を振り続ける。