野球評論家・野口寿浩氏は実際に試打した過去も「ローズが使っていた」 メジャーリーグで一部選手が使用している「魚雷(トルピード)バット」が、日本のプロ野球界で注目を集めている。日本野球機構(NPB)でも11日のプロ規則委員会を経て即日使用可能…

野球評論家・野口寿浩氏は実際に試打した過去も「ローズが使っていた」

 メジャーリーグで一部選手が使用している「魚雷(トルピード)バット」が、日本のプロ野球界で注目を集めている。日本野球機構(NPB)でも11日のプロ規則委員会を経て即日使用可能となったが、ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、かつて近鉄の「いてまえ打線」の猛者たちが使用していたと述懐する。

 最も太い部分が先端ではなく真ん中寄りにあり、通常なら詰まらされる部分が芯になる新形状のバット。通算464本塁打のタフィ・ローズが使っていたのが、この魚雷バットだったという。「タフィ・ローズは来日した時から、そのバットを使ってました。バットのヘッドがよく走る。多少、詰まっても太い部分に当たるから思っていたより飛距離が出るんです。飛ぶボールの全盛期。東京ドームだと全部飛んでいく感じがありました」。

 4度の本塁打王に輝いた助っ人を真似て、礒部公一、吉岡雄二両選手が魚雷バットを使っていたという。野口氏もローズのバットを短くして使っていた磯部のバットを借りて試し打ち。「ローズのバットはグリップがめちゃくちゃ細かった。グリップが太ければ使う選手はいたでしょうけど、細いまま使っていたから『オレには合わない』という選手がたくさんいたと思う」。野口氏も試合では使用しなかったという。

 バットに合う選手、合わない選手が出てくるのは当然のこと。野口氏が現役選手の中で「合う」と見ているのが、中日・細川成也外野手と中田翔内野手だ。「ボールを前でさばく打者には合わない。呼び込んで呼び込んで、ガツンと打ちにいくタイプの選手には合うと思います。細川選手はヤバいことになりそうです。中田選手も合うと思います」。中日の両スラッガーの可能性を口にした。

 ヤンキースの選手たちが使用してアーチ量産。投高打低が続くNPBに、あっという間に伝わった。野口氏は「詰まらせて打つことが多い選手は恩恵を授かることができると思います。ただ、今までのバットでうまくいっていた選手は魚雷バットに合わない可能性がある。今のバットでうまくいっている自負がある選手は使わない方がいいかもしれません」と注釈をつけた。貧打に苦しむ中日の光となるのか。(Full-Count編集部)