◆第85回皐月賞・G1(4月20日、中山競馬場・芝2000メートル) 第85回皐月賞・G1(20日、中山)の「考察」前哨戦編は、きさらぎ賞を快勝したサトノシャイニングに注目した。 今年の重賞やトライアルは、無敗の2歳王者クロワデュノールと対…

◆第85回皐月賞・G1(4月20日、中山競馬場・芝2000メートル)

 第85回皐月賞・G1(20日、中山)の「考察」前哨戦編は、きさらぎ賞を快勝したサトノシャイニングに注目した。

 今年の重賞やトライアルは、無敗の2歳王者クロワデュノールと対戦してきた馬が大半のレースを勝利。その結果から未対戦馬の可能性に懸けたいと考えたくなるが、対戦馬のなかに上昇する余地を残している馬は本当にいないのか―。

 中山が舞台の報知杯弥生賞ディープインパクト記念、スプリングSからの参戦は過去10年で75頭にも及ぶ。前者が馬券圏内7頭、後者は同4頭を送り出すが、今年はともに稍重と重という雨の影響がある馬場で行われた。これは2000年まで遡っても12年の1回のみのレアケース。ちなみに当該期間の皐月賞25回のうち18回は良馬場だった。桜花賞のように直前まで天候が読めないことも多く、ここでは馬場のことは一度置いて別の角度からアプローチしたい。

 クロワと対戦経験がありながら逆転の可能性を残すと感じるのがサトノシャイニングだ。2歳時は先行する形を取ってきたが、末脚を生かす形のきさらぎ賞で上がり最速の高いパフォーマンスを発揮して3馬身差の圧勝。初コンビだった西村淳は「次を見据えて、前に馬を置いて運びました。どれぐらい脚を使えるかも確認できました」とコメント。戦法の幅を広げる収穫の一戦となった。

 2走前の東京スポーツ杯2歳Sは落鉄していたうえ、押し出されるようにハナに立つ不運な形でクロワのマークを受け、3/4馬身差の2着。クロワが本調子でなかったとはいえ、自身も全能力を発揮できる状況ではなかった。前走内容や鞍上の話から本番ではクロワをマークする展開も考えられる。打倒2歳王者へ、光明が差す勝利だった。(浅子 祐貴)