◇メジャー初戦◇マスターズ 最終日(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)ロリー・マキロイ(北アイルランド)が17回目の出場で「マスターズ」を初制覇した。4大メジャーのタイトルをそろえるキャリアグラン…

悲願をかなえた

◇メジャー初戦◇マスターズ 最終日(13日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)が17回目の出場で「マスターズ」を初制覇した。4大メジャーのタイトルをそろえるキャリアグランドスラム(生涯GS)を達成。2000年のタイガー・ウッズ以来、25年ぶり史上6人目の快挙への喜びを優勝会見で語った。

「この記者会見は僕から皆さんへの質問で始めたいな。(毎年敗れて同じことを話してきたから)いったい、来年は何を話せばいいんだろう?(笑)とにかく、夢がかなった。この瞬間を物心ついた時から夢に描いてきた。タイガーが1997年に初優勝して、グリーンジャケットを勝ち取った時から、僕たちの世代のたくさんの人が彼のようになりたいと思ってきた。正直に言うと、プレーオフの最終グリーンでは(GSに王手をかけた2014年から)11年分の、いや(マスターズで逆転負けした2011年から)14年分の思いがあふれた」

―マスターズ制覇、GSまでどれだけ苦労したか
「本当に難しかった。2014年の夏(全英オープンでメジャー3タイトル目を獲得)してから11年間、ずっと重い荷物を背負ってきた。次のメジャー優勝だけでなく、生涯GSも目指してきた。これでようやく解放された。毎年ここに戻ってこられることがうれしい」

―スタートの1番ティでの心境は
「胃が締めつけられるような痛みを感じた。食べ物もあまりのどを通らなくて、無理やり食べようとした。足もゼリー状の様な感覚だった。ただ、そういった緊張感は自然なもので、良いことのはず。緊張感がない方が問題だと思う」

13番では手前のクリークに入れてまさかのダブルボギー

―13番でダブルボギーを招いた、小川に入れた3打目について
「ピンまでは82yd。左足上がりのライから打つとウェッジショットは少し左に行く傾向があるから、少しだけ右を狙った。まさかクリークに入るとは思わなかった。ちょっと弱くて、思ったよりも右に飛んでしまった。(リーダーボードで追い上げてきた)ジャスティン・ローズルドビグ・オーベリの様子も気にしていた。でも、ダボをたたいても15番のティショットを放った後、まだ勝てるはずだと思っていた」

―正規の18番でボギー。プレーオフに行く前に気持ちを立て直せたか
「スコアを提出した後、カートに乗って18番のティに戻る時、(キャディの)ハリーが『もし今が(試合前の)月曜日の朝だったら、この(プレーオフに進める)状況を受け入れているよな』って言ったんだ。僕は『もちろんそうだ』と返して、すぐにリセットできた。プレーオフでは『正規のホールと同じようにスイングするんだ』と自分に言い聞かせた」

―プレーオフを終えてグリーン上でひざまずいた
「ただホッとした。大喜びした反応ではなく、ただただ安堵(あんど)した。少ししてから喜びが湧いてきたけど、(最初のリアクションは、初出場から)17年分の感情が内側からあふれてきたものだった」

―きょうのベストショットは?
「7番のセカンドショット…、いや、最も重要だったのは3番の2打目だった。打ち上げのセカンドは難しく、(同組の)ブライソン(・デシャンボー)が5(ボギー)だったところを、好判断で3(バーディ)にできた。序盤だったけれど大きかった。次のホールのバーディにもつなげられた」

心が折れそうになった時も

―逆転負けした2011年の最終日の夜に戻れるとしたら、当時の自分にどう声を掛けるか
「苦難や、厳しい敗戦もあるけれど、ただ道を歩み続けて、ただ自分を信じろと言いたい。これを聞いた少年少女にもそう伝えたい。きょう僕は夢がかなった。自分の夢を信じて一生懸命努力すれば、きっと成し遂げられる」

―きょうの一日は人生で最高ランクか?
「そうだね。結婚や子どもが生まれた人生の節目とは比べられないけれど、ゴルフにおいては最高の日だ。諦めなかった自分を、失意の底から何度も立ち上がった自分を、誇りに思う」

失意を味わっても諦めずに立ち直ってきた