「広島5-3巨人」(13日、マツダスタジアム) 打った瞬間、広島のサンドロ・ファビアン外野手は確信した。打球の行方を見守りながら、ゆっくりと歩を進める。白球が左翼席上段に着弾するのを確認すると、ベンチを指差して白い歯をこぼした。「カンペキ…
「広島5-3巨人」(13日、マツダスタジアム)
打った瞬間、広島のサンドロ・ファビアン外野手は確信した。打球の行方を見守りながら、ゆっくりと歩を進める。白球が左翼席上段に着弾するのを確認すると、ベンチを指差して白い歯をこぼした。「カンペキデス」。今季3度目の5番に座り、チームの4連勝に貢献した。
2点リードの六回だ。先頭で打席を迎えると、この回から登板した西舘と対峙(たいじ)。1ストライクからの2球目だった。「真っすぐを狙っていた。自分のスイングができるところを待っていたよ」と内角の149キロをフルスイング。左越えに2号ソロをたたき込み、貴重な追加点を奪った。本拠地では自身初アーチ。大歓声を浴びながらのダイヤモンド1周を「めっちゃ良かったよ」と笑顔で振り返った。
全力プレーが売りの新助っ人は、グランド外でもナイスガイぶりを発揮している。3月31日に左内腹斜筋肉離れで登録を抹消されたモンテロに対して、離脱直後に「リハビリして早く治してチームに戻ってこい」とメッセージを送った。同じドミニカ共和国出身で、ともに1998年生まれ。兄弟のように仲の良い大砲の復帰を誰よりも待ち望んでいる。
今季4度目のマルチ安打で、打率は・269まで上昇。新井監督も「見事だった。徐々にではありますけど、アジャスト(適応)してきている」と、さらなる活躍の予感を感じ取っている。攻守において欠かせない存在となりつつある背番号61。首位に立つチームとともに連勝街道を突っ走っていく。