「明治安田J1、東京V0-1神戸」(12日、味の素スタジアム) 神戸はMF汰木(ゆるき)康也(29)が後半にゴールを奪い、1-0で東京Vに完封勝利。2試合ぶりに白星を挙げた。福岡が2-1で横浜Mに逆転勝ちし、7試合負けなしで勝ち点19に伸…

 「明治安田J1、東京V0-1神戸」(12日、味の素スタジアム)

 神戸はMF汰木(ゆるき)康也(29)が後半にゴールを奪い、1-0で東京Vに完封勝利。2試合ぶりに白星を挙げた。福岡が2-1で横浜Mに逆転勝ちし、7試合負けなしで勝ち点19に伸ばして暫定首位に浮上した。京都は川崎の2ゴールで湘南に2-0で快勝し、勝ち点18とした。岡山は1-0で広島を破り、初の連勝で勝ち点17。18歳の佐藤が得点した。広島は同17のまま。川崎は1-1で清水と引き分け、6試合負けなしで勝ち点17とした。鹿島は0-1でC大阪に敗れ、3連敗で同16。G大阪は2-0で名古屋を下した。

 ゴールを決めた汰木は真っ先に、アシストしたエリキのもとへ駆け寄った。序盤に同じエリキからのパスでの決定機を外していただけに、喜びよりも安堵(あんど)の表情。汰木は「どうにかエリキに恩返しというか、何とかして返さないとという気持ちがあった。ホッとしました」と“名誉挽回弾”を振り返った。 0-0の後半6分、ゴール左前でパスを受けたエリキがシュートを打たず、中央の汰木へ折り返す。冷静に当てるだけの絶好機だが「落ち着いてはなかったですね」と汰木。前半2分には逆サイドから同じような状況でゴール左に外してしまい、ショックでしばらく起き上がれず。悪夢が頭に残っていた中、取り返したい一心でネットを揺らした。

 汰木にとって、復活の足掛かりとする今季初ゴールだ。今季は開幕戦の先発をつかみとったが、ケガの影響で2戦目から約1カ月半離脱。開幕から負傷者続出の中、何とかやりくりするチームを外から見てきた。「チーム全員で耐えてくれていた。ここからは自分がゴール、アシストでチームを助けられれば」。巻き返しへ闘志を燃やしている。

 チームにとっても“神戸らしさ”を取り戻す1勝となった。開幕から波に乗りきれない時期が続いている中、戦術面よりも精神面の重要性を選手に説いていた吉田監督。この日の試合では持ち味の球際、セカンドボールの回収で相手を上回り「気持ちが出ていた。かなり良かった」とうなずいた。汰木は「勝利で本当にチームは変わる。今日の試合をきっかけにプレーの部分や順位も上がっていければ」と先を見据える。王者の逆襲はこれからだ。