サッカー日本代表が、8大会連続となるワールドカップ本大会出場を決めた。今年初の活動となる3月シリーズで、第1戦のバーレーン戦を2-0で制し、世界最速での本大会行きを決めたが、5日後のサウジアラビア戦では0-0の引き分けに終わった。2026…
サッカー日本代表が、8大会連続となるワールドカップ本大会出場を決めた。今年初の活動となる3月シリーズで、第1戦のバーレーン戦を2-0で制し、世界最速での本大会行きを決めたが、5日後のサウジアラビア戦では0-0の引き分けに終わった。2026年の大会で優勝を目指す日本代表にとって、この2試合の意味することは何か? 今後、目標を達成するために必要なことを含め、サッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った!
■重要なのは「どこと試合できるか」
――ワールドカップまでの数少ない活動機会をどう活用すべきでしょうか。
後藤「まずは、この秋の6試合のマッチメーク。どこと試合ができるか重要じゃないですか」
大住「9月には国外に出るみたいだけど、残念なのは10、11月の4試合は全部ホームゲームであること。これでいいのか、という感じがするよね」
後藤「9月はアメリカに行くみたいだね」
大住「本大会開催地のアメリカ大陸に行くしかないと思うんだよね。10、11月の試合もアメリカに行って、その頃には予選が終わっている南米のチームと試合をすればいいと思ったんだけどな」
■3か月連続で「開催国」と対戦
後藤「メキシコと試合をするという話が出ていたね」
大住「9月の遠征だね。9月から3か月連続で2026年大会共催国のメキシコ、アメリカ、カナダに遠征して、それぞれ開催国プラスもうひとつの国と試合をすればいいと、僕は思っていた。南米のチームとマッチメークできるなら、彼らはヨーロッパから選手を呼ぶことになるので、日本に来させるより移動の負担も少ない。日本サッカー協会(JFA)がワールドカップ優勝、「最高の景色を」と言うなら、そういう野心的なことをやらないといけない。JFAにとって日本代表は最大の商品だから活用したいというのは分かるんだけど、ワールドカップに向けての強化と商売は、もう少しはっきり分けて考えたほうがいい」
後藤「ワールドカップで優勝したら、商売としてもおいしくなるはずですからね。サッカー人気が高まりますよ」
■「叩きのめされる」強化を!
大住「少なくとも10、11月の全4試合が国内開催だというのは、ちょっと信じられない。後藤さんもそう思うでしょ?」
後藤「この間のスケジュール発表を見て、ビックリしたよ。たぶん、その3か月で2回は国外遠征、1回はホーム開催かなと思っていたから」
大住「僕もそう思っていた。ワールドカップ優勝、最高の景色を、と言っておいて、そのための準備がわざわざ地球の裏側から日本にチームを呼んで、ヘロヘロの相手から4、5点と取ったところで、それが強化になるのかと疑問に思う。本気なら、叩きのめされるような強化をしないといけないんじゃないかな」
後藤「南米のチームは日本に来ても一生懸命やってくれますよ。ホームでやるならアルゼンチンを呼ぶしかないね」
大住「一番大事なのは、森保一監督が強化のためにしたいことを、ちゃんとやることだよ。日本サッカー協会がワールドカップで勝つための本気の取り組みをしないといけない。森保監督が本当にしたいことに沿って進めないとダメだよ。森保監督が、国内で日本のファンの前でプレーすることでチームが成長するというなら、それでOKだよ。でも本当はこうしたいけど、しょうがないなというんだったら、それは違うんじゃないのかと思う。とにかく個人的には、国内での4試合するというのはどうかと思うよ。そうだよね、後藤さん」
後藤「はい、その意見に関しては反対しません」