「今度こそは絶対に痩せる!」。ダイエットを初めた当初はそう思っていても、なかなか最初の意気込み通りに継続するのは難しいものですよね。そんな時はどうしても日頃の忙しさを理由にしてしまいがちです。「仕事が忙しくてジムに行く時間がない」、「ダイ…

 「今度こそは絶対に痩せる!」。ダイエットを初めた当初はそう思っていても、なかなか最初の意気込み通りに継続するのは難しいものですよね。そんな時はどうしても日頃の忙しさを理由にしてしまいがちです。「仕事が忙しくてジムに行く時間がない」、「ダイエットに時間を割けない」という方も多いのではないでしょうか。

 そこで今回は、大手企業のサラリーマンとして多忙な毎日を送りながらボクシングを続け、日本ミニマム級王者にまで登り詰めた花形ジム所属のプロボクサー・大平剛(おおだいら・ごう)選手に「仕事をしながら無理なくできる身体の絞り方」についてお話を伺いました。

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週5日勤務を続けながら日本王者に

――大平選手は法政大学在学中にプロデビューして、その後大手企業に就職した後もサラリーマンをしながらボクシングを続けていたんですよね。

はい。新卒で化粧品メーカーに就職して、営業の仕事をしながらボクシングをする生活をしばらく続けていました。

――新入社員のうちはただでさえ帰りが遅くなることもあったでしょうし、両立するのは大変だったのではないですか?

そうですね。初めのうちは自分の裁量で仕事を回すことができないのでなかなかジムに行けませんでしたね。会社が家から近かったので朝はゆっくりだったのですが、帰りは遅くなることが多かったので。仕事が早く終わってジムに行けた時はその一回の練習を特に大事にするようにしていました。ジムに行けない日でも自宅で筋トレをするなど、時間が少ない中でも、その時やれる限りのことを継続するように意識していました。

――その後、よりボクシングに集中する環境を手に入れるために現在の職場に転職をされたと伺いましたが、それでも週5日間勤務という点は1社目と変わっていないそうですね。

はい。今はスポーツメーカーのショップの社員として販売の仕事をしています。朝から18時まで勤務して、その後ジムに移動してトレーニングを行う生活ですね。

――日中は会社員としてフルタイムで働きながら日本チャンピオンにまで登り詰めたんですね。フルタイムで仕事をしながらそこまで行くのは並大抵のことではないのではないでしょうか。

確かに普段はフルタイムで働いていますが、タイトルマッチの前などはまとまった休みをいただけたり、会社の上司や仲間にもいろいろと協力していただいています。なので「自分1人で仕事とボクシングを両立してチャンピオンになったぞ」という感覚は無いんですよね。職場やジムの方をはじめ、本当に多くの人たちに支えられて何とかここまで続けれてこられたかなと思っています。

減量はしっかり動いてしっかり食べるのが基本

――試合が決まったらすぐに減量に入ると思いますが、どのようにして身体を絞っていくのですか?

ジムでの練習の強度を上げて追い込んでいく形になりますね。ジム以外でももちろん、ランニングや筋トレなどを行います。食事メニューもカロリーを抑えたものに変えます。

――具体的にはどのように変えるのですか?

基本的には野菜中心にして、炭水化物を少し減らしますね。米を玄米にするなどしてカロリーを抑えられるよう工夫しています。玄米は毎回炊くのも大変ですし、カロリー計算がしやすいこともあってパックになっているものを食べています。

――やはり野菜を摂るのが大事なんですね。

野菜中心にすることでビタミンを多く摂取して、試合に向けて身体の調子を整える狙いもあります。食物繊維なのでお腹にもたまりますしね。あと僕は納豆をよく食べます。カロリーも低いですし、練習後の身体の修復に欠かせないたんぱく質も摂れるので重宝しますね。あと、減量中は焼き鳥の塩をよく食べますよ。

――焼き鳥ですか。減量中に食べる物としては少し意外な感じがします。

脂質の摂取量は減らさないといけないので、モモやムネ、内臓系ならハツのような脂肪分の少ない部位が中心ですね。納豆同様、練習後に必要なたんぱく質が豊富なので、けっこうな量を食べるときもありますよ。

――減量中はあまり食べられないというイメージが一般的な気もしますが、しっかり食べるんですね。

そうですね。ただ体重を落とせば良いのではなくて、試合に向けて動ける身体を作っていかないといけないので、むしろしっかり食べないといけないんです。食べる量を減らすと練習もキツく感じてしまいますし、そうするとたいしたトレーニング量をこなしていなくてもやった気になってしまうんですよ。しっかり食べて、その分しっかり動きながら絞っていくことが大事だと思います。

少しずつ無理なく生活習慣を変えていけば、自ずと身体は引き締まってくる

――一般的に減量というと我慢が付き物というイメージがあると思うのですが、しっかり食べながらの減量というのは一般の方のダイエットにも良さそうですね。

そうですね。僕自身、「めちゃくちゃキツい練習をして、その上、食事量をいつもの半分に減らせ!」って言われたら多分すごく辛いと思いますけど、実際にはお腹いっぱい食べているので。ただ、脂質の摂取量を減らせるように少し意識したり、いくつかのメニューを普段の食事と変えることでカロリーを抑えていく。これは一般の方のダイエットでも使えるかもしれないですね。

――いま現在何もしていないという人であれば、何か一つ始めるだけでも摂取カロリーが減るわけですもんね。

はい。食べる量は変えずに、野菜の割合を少し増やすとか、お米を玄米にしてみるとか、すべて玄米にするのが難しければお米に玄米を少し混ぜるとか。肉を食べるときはカルビよりはロースを選んで少しでも脂質を減らす、など方法はたくさんあります。意識一つで変えられる部分なので、どんなに仕事が忙しくても関係なく始められると思いますよ。あとは生活の中で可能な限り運動を取り入れてみると良いと思いますね。

――やはり身体を動かさないと、食事を変えるだけでは難しいですかね?

そうですね。やはり運動することで基礎代謝も上がりますし、消費カロリーが増えるので、そうすれば自然と食べても良い量というのは増えますから。何か興味があるスポーツがあればそれをやるのが一番だと思います。

――特に好きなスポーツが無い場合や時間が限られている場合はやはりランニングや筋トレといったことをやるのが効果的なのでしょうか?

そうですね。誰でも手軽に始められますし、筋トレなら時間も場所も取らないので仕事との両立も比較的簡単だと思います。ただこれも、長続きしない目標を立てても辛くなってしまうだけなので、初めは少ない運動量でも良いと思います。「今日から毎日5km走ろう!」とか「腹筋を100回やろう!」とか、初めからハードルを上げすぎるとやらなくなってしまうので。

――やはり継続することが大事ですよね。

本当にそうですね。僕たちボクサーは「○月×日までに○○kgまで落とす」という明確な期日と目標値が決まっていますが、ダイエットってそういうのは無いじゃないですか。運動量を徐々に増やしていき、同時に食事の中で変えられる部分を無理なく変えていく。そうやって長期的な計画で無理なく始めて、生活習慣を整えながら徐々に体質を改善していくイメージで取り組むのが良いと思います。スポーツジムに行くとなるとわざわざ時間を作らないといけませんが、今日話したようなことは忙しい人でもすぐに始められます。身体は正直なので、少しずつ習慣を変化させていけば、時間は掛かっても自ずと引き締まってくるはずですよ。

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[プロフィール]
大平剛(おおだいら・ごう)/第26代ミニマム級王者・花形ボクシングジム所属
1984年9月10日生まれ、神奈川県出身。
法政大学第二高等学校3年生の時にボクシングと出会い、法政大学在学中にライセンスを取得。大学卒業後、一度は大手化粧品メーカーに就職したが、営業の仕事に従事しながらボクシングを継続。その後トレーニング時間を確保するため、2008年に退社。スポーツメーカーが運営する直営ショップで販売員として働き始め、現在も社員として勤務している。2014年1月に行われた日本ミニマム級王座決定戦で多打魔炸獅に10回3-0で判定勝ちを収め、プロ15戦目にして悲願だった日本王座のタイトルを獲得。その後三度の防衛に成功した
【花形ボクシングジム公式サイト】http://www.hanagata-gym.com/

<Text:福田 悠/Photo:Kazuend、長田楓>

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