◆プロボクシング▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級1位・石田匠(6日・東京ドーム)  WBA世界バンタム級タイトルマッチは、王者・井上拓真(大橋)が、プロ38戦目の32歳、同級1位・石田匠(井岡)を3-0の判…

◆プロボクシング▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 王者・井上拓真―同級1位・石田匠(6日・東京ドーム) 

 WBA世界バンタム級タイトルマッチは、王者・井上拓真(大橋)が、プロ38戦目の32歳、同級1位・石田匠(井岡)を3-0の判定で下し、2度目の王座防衛に成功した。第1ラウンドに左のカウンターに先制ダウンを奪われたが、2回以降の全ラウンドで圧倒して、ジャッジ1人が最大9点差をつける大差判定で石田の挑戦を退けた。激闘を制した拓真は「苦戦はしたが競り勝てた。きょうは勝てた。それだけが唯一の収穫」と語った。

 井上は昨年4月、リボリオ・ソリス(ベネズエラ)に判定勝ちして、WBC暫定王座に続き、WBA正規王座を獲得。今年2月には、元IBF世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回KO勝ちし初防衛に成功した。兄のスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と同日同会場で世界戦を闘うのは19年11月以来となったリング。「これだけの大観衆の中で競り勝てた」と繰り返し、肩から下げたベルトを見つめた。

 日本人選手との対戦はスーパーバンタム級時代の2022年6月の古橋岳也(川崎新田)以来で、世界戦では初めてとなった。兄に続くバンタム級4団体王座統一の目標を抱くが「こんな内容では統一とか言ってられない」と反省していた。

 ◆井上拓真(いのうえ・たくま)1995年12月26日、神奈川・座間市生まれ。28歳。綾瀬西高では高校総体など2冠。2013年12月プロデビュー。15年7月、東洋太平洋スーパーフライ級王座獲得。18年12月、WBC世界バンタム級暫定王者。19年11月にウバーリ(フランス)に敗れ、プロ初黒星。23年4月にWBA世界バンタム級王座決定戦でソリス(ベネズエラ)を破り王座奪取。身長163センチの右ボクサーファイター。