◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(5月6日、東京ドーム) 34年ぶりに行われるプロボクシングの東京ドーム興行…

◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(5月6日、東京ドーム)

 34年ぶりに行われるプロボクシングの東京ドーム興行の前日計量が5日、都内のホテルで行われ、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に挑戦する元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)はリミットから500グラム軽い54・8キロで一発クリアした。井上尚は100グラムアンダーの55・2キロでパスした。

 戦績は31歳の井上尚が26戦全勝(23KO)、29歳のネリが35勝(27KO)1敗。

 「ルイス・ネリ選手、54・8キロ、アンダーです」。体重が読み上げられると、ネリは両拳を上げマッスルポーズ。その拳を降ろして、何度もうなずきながら胸を張った。体重計をチェックしていた井上尚の父・真吾トレーナーは大橋秀行会長とともに拍手。試合の成立が告げられると、場内からひときわ大きな歓声が上がった。

 ネリには体重超過の“前科”があり、関係者は前日計量の行方に注視していた。2018年3月の山中慎介戦の前日計量で2・3キロもオーバーし、WBC世界バンタム級王座を剥奪された。その後、日本ボクシングコミッション(JBC)から永久資格停止処分を受けていたのだ。その後も何度か体重超過を起こしたが、井上尚戦が決まってからは徹底的に節制。前日4日の記者会見で、ネリは「すでにリミット内」と伝えていたが、計量の朝には自身のXで「55・0」と、すでにリミットの55・3キロを割っていたことを一足先に伝えていた。計量後、ネリはおいしそうにドリンクをがぶ飲み。さらに、コーラのボトルを受け取って、喉に流し込んだ。この日、WBCは勝者に対してダイヤモンド・ベルトが特別に授与されることになったが、ネリは陣営とともにベルトを持ったWBC関係者と記念撮影。コメントを残さずに会場を出たが、関係者によると、試合前に健闘を誓い合ったスーパーミドル級(76・2キロ以下)の世界4団体統一王者サウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ)の試合をスマホで見ながら、ショートケーキ2つと生クリームのどっさり乗ったコーヒードリンクを堪能したという。

 だが、ルール・ミーティングでは、“悪童”ぶりも披露。グラブは当初、自身が持ってきた、メキシコ国旗のカラーをあしらったグラント製だったが、グラブ・チェックの際に、井上尚が使用する日本のウィニング製が気に入ったという。関係者によると、持参したグラブは「大きくて重たい」そうで、井上のグラブは見た目が小さいと感じたという。試合を管轄するJBCは急きょ、同様のグラブを用意。ネリはさらに色も黒を希望したが、これについてはJBCから保管してあった青を提供されることで納得したようだ。

 全てのイベントを終えたネリは、短いインスタライブを行ったり、Xで「今度は私の番」とメキシコ国旗の絵文字をつけて、勝利をアピールしていた。

 試合はPrime Videoでライブ配信される。

 なお、当日券は東京ドーム22番ゲート付近のチケット売り場で販売される。