★2本の満塁本塁打でV王手

 3万人の観衆が集った早慶戦1回戦で慶大が8対5で早大を下し、2014年春以来の優勝に王手をかけた。
「学生らしいっちゃ学生らしいですが、なかなか無い試合ですよね」と試合後、慶大の大久保秀昭監督が苦笑いで振り返ったように、6回・7回に目まぐるしく試合が動いた。

 4回までは両校とも無安打で進み、序盤は静かな展開で進んだが、6回裏に慶大が攻勢をかける。
 2番の瀬尾翼内野手(4年・早稲田佐賀)が二塁打で出塁すると、その後に敬遠や野選で二死満塁とすると、6番・清水翔太内野手(4年・桐蔭学園)がライトスタンドに飛び込む満塁本塁打を放ち、慶大が貴重な先制点を上げる。

 だが直後の7回表、ここまで好投を続けてきた慶大の左腕・高橋佑樹投手(2年・川越東)に疲れが見え、3番・佐藤晋甫内野手(4年・瀬戸内)に本塁打を浴び、2四球を出して降板。
 さらに、代わった菊地恭志郎投手(3年・慶應志木)が織原葵内野手(4年・早実)に2点タイムリーを打たれ1点差とされる。この時に慶大のまずい挟殺プレーのミスもありピンチを脱せず。3番手の高橋亮吾投手(2年・慶應湘南藤沢)も野選で同点とされると、早大の代打・福岡高輝内野手(2年・川越東)の内野ゴロの間に勝ち越しを許した。

 だが、大学球界屈指の強打線を誇る慶大が7回裏に反撃した。安打と2四球で早大3番手の早川隆久投手(1年・木更津総合)から一死満塁のチャンスを作り、前打席で敬遠されていた柳町達外野手(2年・慶應義塾)が打席へ。
 すると柳町は「スライダーが多かったので狙っていました」と早川の甘く入ったスライダーを振り抜き、ライトスタンドに飛び込む劇的な満塁本塁打となった。

 このリードを8回・9回は高橋亮吾が落ち着いて抑えて、慶大が優勝に王手をかけた。大久保監督は「練習で柳町、岩見、郡司、清水の4人には他の選手よりも多く時間を取って打たせてきたのですが、見事に打ってくれました」と主力の活躍に目尻を下げた。

決勝の満塁本塁打を放ち満面の笑みで生還した柳町(慶應義塾大)=神宮球場

◎慶應義塾大・柳町達外野手
「序盤は苦しかったですが投手が頑張ってくれていたので、なんとか打とうと思いました。早慶戦で打つ本塁打は格別でした。死に物狂いで明日は勝ちたいです」

早稲田大vs慶應義塾大1回戦
早稲田大  000000500=5
慶應義塾大 00000440X=8
【早】小島、柳澤、●早川、北濱、二山—岸本
【慶】高橋(佑)、菊地、◯高橋(亮)—郡司
本塁打:慶應義塾大・清水《6回満塁》、早稲田大・佐藤(晋)《7回ソロ》、慶應義塾大・柳町《7回満塁》

文・写真:高木遊