5月7日、東京六大学春季リーグ第5週1日目が行われ、法政大が主将を務める齊藤大輝(4年・横浜)の活躍などにより明治大を3対1で下した。「初球から振れているのが好調の証」と自身で言うように、完全に復調しチームの中軸を担う役割を存分に果たして…

 5月7日、東京六大学春季リーグ第5週1日目が行われ、法政大が主将を務める齊藤大輝(4年・横浜)の活躍などにより明治大を3対1で下した。

「初球から振れているのが好調の証」と自身で言うように、完全に復調しチームの中軸を担う役割を存分に果たしている齊藤

 前週の慶大戦でサヨナラ打を放った齊藤がまたもやチームを勝利に導いた。

 法大は先発の篠木健太郎(2年・木更津総合)が初回に、宗山塁(2年・広陵)の二塁打を皮切りにピンチを招くと3番の・上田希由翔(3年・愛産大三河)に犠飛を打たれて明大に先制を許した。それでも以降の篠木は走者こそ出すものの闘志を前面に出した投球や素早いバント処理などで明大打線に追加点を許さなかった。

 すると6回、この回から降り始めた雨を切り裂くかのように齊藤がレフトスタンドへ同点弾を放ち、試合を振り出しに戻す。ここまで好投していた明大先発の蒔田稔(3年・九州学院)だったが、齊藤は「1打席目にスライダーが甘く入って来ていたので狙い球になると思っていました」と会心の一撃だった。
 法大はこれで同点に追いつくと、8回には四球と犠打でチャンスを作る。ここで齊藤が再び甘く入った変化球を振り抜くと、打球は左中間を破り勝ち越しタイムリーとなった。
 さらに9回には今泉颯太(3年・中京大中京)と海崎雄太(4年・埼玉栄)の連打でダメ押し。
投手陣も篠木が最少失点に抑えると、2番手の塙雄裕(3年・常総学院)が7回・8回と三者凡退に抑えて明大打線を封じ込め、9回は武冨陸(3年・日大藤沢)が締めて、2回以降無失点で繋いだ。

 加藤重雄監督は齊藤について「前の週から火がついた。試合前のフリーバッティングから期待していました」と振り返り、白星を挙げた塙についても「中継ぎでここまで良い投球をしてくれていた。信頼しているので(先発を)パッと代えられる」と称えた。

中継ぎとしてフル回転している塙だが「疲れはなく試合が楽しい」と話す頼もしい存在だ

 一方、明大は幸先良く先制するもその後は打線が沈黙。田中武宏監督は「クリーンアップがこれでは話にならない」と中軸に奮起を促した。

好投した蒔田だったが白星ならず。田中監督は「責められない内容。ただホームランとなった1球がもったいなかったですね」と悔やんだ

■法政大vs明治大1回戦
法大 000 001 011=3
明大 100 000 000=1
【法】篠木、◯塙、武冨-村上
【明】蒔田、●渡部慎、下江、松島、高山-蓑尾
本塁打: 法大・齊藤(6回ソロ)

◎齊藤大輝(4年・横浜)
「朝のフリーバッティングから自分のスイングができていました。ホームランは走者がいない場面だったのでツーベース以上をと思って打席に入りました。(開幕から3試合は無安打で)ミスショットが多かったが1球で仕留められるようになってきました」

文・写真=高木遊