4月16日、東京六大学春季リーグ第2週1日目が行われ、チーム開幕戦となった明大が、新人・瀬千皓(1年・天理)の初打席初本塁打などにより、12対1の大勝で東大を下した。「野球人生で未だない日本一になりたいです」という4年間の目標を語る瀬 緊…

 4月16日、東京六大学春季リーグ第2週1日目が行われ、チーム開幕戦となった明大が、新人・瀬千皓(1年・天理)の初打席初本塁打などにより、12対1の大勝で東大を下した。

「野球人生で未だない日本一になりたいです」という4年間の目標を語る瀬

 緊張感のあるチーム開幕戦だが、1回表を先発の蒔田稔(3年・九州学院)が三者凡退で抑えてチームに流れを呼び込んだ。
 2四球からチャンスを作ると、4番・山田陸人(4年・桐光学園)と簑尾海斗(4年・日南学園)の連打で3点の先制に成功した。
 ここで打席には昨春の甲子園でも活躍した瀬。初球から積極的に打ちに行き、それはファウルとなったが3球目に快音を響かせた。思いきりよく振り抜いた打球はレフトスタンドに飛び込む2ラン本塁打に。「気持ち良かったです」と初々しく振り返る一発で試合は完全に明大になった。

 その後は蒔田が「上手く力を抜いて投げることができました」と東大打線を2回の1点のみに抑え、6回89球3安打1失点で後続に託した。その後の3投手は無失点で繋ぎ、打線も7回に宗山塁(2年・広陵)の本塁打などで7点の追加援護。終始試合の主導権を握った明大が大勝発進となった。

 リーグ戦初打席から結果を残した瀬について田中武宏監督は「見事な対応力。本当なら4番を任せたいほどです」と激賞。瀬は「緊張しましたが、1年生らしいプレーをしようと打席に入りました。試合前にたくさんの先輩が声をかけてくださったおかげです」と笑顔で謙虚に語った。
 甲子園で打率.375を記録し、高校通算21本塁打を放った1年生スラッガーが明大を躍進に導く起爆剤になるかもしれない。

笑顔でダイヤモンドを1周する瀬

■東京大vs明治大1回戦
東大 010 000 000=1
明大 500 000 70X=12
【東】●井澤、松岡由、古賀、齊藤-松岡泰
【明】◯蒔田、渡部慎、渡部翔、高山-蓑尾
本塁打:明大・瀬(1回2ラン)、宗山(7回ソロ)

リーグ初勝利となった蒔田だが「先制後に四球と長打で失点してしまったのは課題」と修正点を挙げるなど慢心がない様子だった

◎東大・井手峻監督
「初回、先発・井澤のコントロールが良くなかったですね。2回からだいぶ思っているところに行くようにはなっていましたが。打線は(見逃し三振が多く)相手投手の良いところに決められてしまいました」

5回に三者連続三振を奪うなど2回から6回までは好投を見せた井澤だっただけに初回の5失点が悔やまれる

文・写真=高木遊