2020-21シーズンの「V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)」はJTマーヴェラスの優勝で幕を閉じ、日本代表に選出されたメンバーは合宿をスタート。代表メンバー以外でも、シーズン終了後に3月28日まで開催された「V …

 2020-21シーズンの「V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)」はJTマーヴェラスの優勝で幕を閉じ、日本代表に選出されたメンバーは合宿をスタート。代表メンバー以外でも、シーズン終了後に3月28日まで開催された「V Cup」で奮闘し、5月の黒鷲旗大会、来季以降の活躍が期待される選手たちが多い。今季のプレーから、東京五輪や、今後に注目したい女子バレーボーラー10人を紹介する。



photo by Kurobane Shiro

■籾井 あき(もみい・あき)
所属:JTマーヴェラス セッター・176cm
2000年10月7日生まれ 神奈川県出身 八王子実践高

 2019-20シーズンのVリーグ開幕戦で、ルーキーながらいきなりスタメン出場を果たして話題に。それ以降も出場を続けてチームが優勝すると、翌年も正セッターとして2連覇に貢献した。今年は期待の大型セッターとして、日本代表に初選出されている。

 勝負強さ、ハンドリングのよさに定評があり、高校1年までアタッカーだったことからツーアタックも得意。高校まではペルー国籍だったが、JT入団を機に日本国籍を取得した。国籍の関係でアンダーカテゴリーの日本代表でプレーしたことはなく、国際経験を積むことが課題だが、大きな舞台で躍動する日を楽しみに待ちたい。



Photo by Hino Chizuru

■石川 真佑(いしかわ・まゆ)
所属:東レ・アローズ アウトサイドヒッター・173cm
2000年5月14日生まれ 愛知県出身 下北沢成徳高

 バレーファンにはお馴染みだが、男子日本代表のエースで、新主将となった石川祐希の妹。裾花中(長野)、下北沢成徳高(東京)と女子バレーの名門校に進学して実力を磨いた。東レでは1年目から活躍し、今季もアタック決定率、総得点ともに高い数字を残すなど、チームの主力選手としてプレーする。

 身長は173cmと決して高くはないが、19歳で出場した2019年のW杯では、海外選手に負けないパワー、技術の高さで対抗。サーブにも定評があり、日本代表でも存在感を示しているだけに、兄妹での五輪出場も大いに期待できる。



Photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

■古賀 紗理那(こが・さりな)
所属:NECレッドロケッツ アウトサイドヒッター・180cm
1996年5月21日生まれ 佐賀県出身 熊本信愛女学院高

 今季はコンディションが整い、レギュラーシーズンの総得点ランキングで日本人トップとなる3位(362得点)に入った。守備でも貢献し、昨シーズン8位から3位に躍進したチームを牽引。4年ぶり2回目のベスト6賞も受賞し、弾みをつけて代表合宿に参加している。

 代表ではここ数年、若いアタッカー陣に出場機会を奪われる印象もあったが、今年は中心選手としての活躍が期待される。5月1日に開催される、東京五輪のバレー会場である有明アリーナでの中国との親善試合、5月25日からイタリアで開催されるネーションズリーグ(VNL)でどんなプレーを見せるか。



Photo by Sakamoto Kiyoshi

■野中 瑠衣(のなか・るい)
所属:日立リヴァーレ アウトサイドヒッター/オポジット・177cm
2001年8月3日生まれ 秋田県出身 秋田北高

 2020年の春高バレーで主将を務め、秋田北高に初勝利をもたらし、2020-21シーズンにVリーグデビュー。177cmという中型選手で守備力も高く、攻守の両面で多治見麻子監督も大きな期待をかけている。今季は開幕直後こそリリーフサーバーなどでの起用が多かったものの、徐々にスタメン出場を増やしていった。

 大きな瞳が印象的な選手で、まだ19歳ながら記者会見ではしっかりトークができる。2024年パリ五輪に向けた、未来の日本代表候補として期待の選手だ。



Photo by Sakamoto Kiyoshi

■宮下 遥(みやした・はるか)
所属:岡山シーガルズ セッター・177cm
1994年9月1日生まれ 三重県出身 大阪国際滝井高

 中学3年生だった2009年に岡山シーガルズに選手登録され、翌年の3月に日本代表の登録メンバーに選ばれた宮下も、今や26歳。前回のリオ五輪では正セッターを務め、今年度も日本代表に登録されているが、熾烈なポジション争いに注目しているファンも多いだろう。

 177cmの身長を生かしたブロックの高さ、ディフェンス力も武器。Vリーグでのキャリアも10年を超え、所属チームの岡山ではチームを引っ張る姿勢も見られる。代表でも長所を活かしたトスワークで、2度目のオリンピック出場を掴みたい。



Photo by Hino Chizuru

■黒後 愛(くろご・あい)
所属:東レ・アローズ アウトサイドヒッター/オポジット・180cm
1998年6月14日生まれ 栃木県出身 下北沢成徳高

 今季は22歳の若さでキャプテンに就任し、明るい笑顔を見せながらチームを牽引。ファイナルステージの決勝こそJTに敗れたものの、レギュラーラウンド全勝という快挙を成し遂げ、自身は敢闘賞も受賞した。

 オープンバレーを特徴とする下北沢成徳高の出身で、パワフルな攻撃が持ち味。アウトサイドヒッター、オポジットの両ポジションでプレーでき、サーブレシーブもこなす。キャプテンとしてシーズンを戦い抜いた実績は大きな自信になったはず。日本代表でも、笑顔でファンを魅了してくれるだろう。



photo by Kurobane Shiro

■荒谷 栞(あらたに・しおり)
所属:ヴィクトリーナ姫路 ミドルブロッカー・173cm
1998年9月22日生まれ 東京都出身 共栄学園高→NEC

 昨季までプレーしていたNECでは途中交代で出場することが多かったが、移籍1年目の姫路ではスタメン出場が増えた。高さはないものの、「機動力型ミドルブロッカー」として速さと巧さを生かした攻撃を武器とする。

 今季、古巣・NECのホームゲームで試合をした際は、自身のSNSで「ホームのような温かさだった」とつぶやくなど、人柄も誠実。チームは10位という悔しい成績に終わったが、来季は自身の成長と共に、チームをより上位へと導きたい。



Photo by Hino Chizuru

■石井 優希(いしい・ゆき)
所属:久光スプリングス アウトサイドヒッター・180cm
1991年5月8日生まれ 岡山県出身 就実高

 リオ五輪メンバーで、今年5月に30歳を迎える"ベテラン"。長年、久光や日本代表を支えてきた。攻守のバランスがよく、Vリーグでは180cmのアタッカーながらレシーブ賞を受賞したことも。今季は若手を積極的に起用していくチーム方針もあって出場機会を少し減らしたが、安定したプレーは健在だった。

 ショートカットがよく似合う石井は男女ともにファンが多い。性格は優しく、それゆえに悩んだり、落ち込んだりすることもあるようだが、年々逞しさを増してきた。昨年6月に引退を決断した元チームメイト、新鍋理沙の分も大舞台で活躍してほしい。



photo by Kurobane Shiro

■中川 美柚(なかがわ・みゆ)
所属:久光スプリングス アウトサイドヒッター/オポジット・182cm
2000年1月8日 愛知県出身 東九州龍谷高

 両親も実業団の選手(共にデンソー)だった"サラブレッド"。地元・愛知からバレー強豪校の東九州龍谷高に進み、エースとして活躍。アンダーカテゴリー日本代表でもプレーを重ね、若手中心ながらフル代表の韓国を破って金メダルを獲得した、2019年のアジア大会メンバーにも名を連ねた。

 182cmの長身でサーブレシーブもこなせるディフェンス力が魅力だが、久光の酒井新悟監督は「攻撃力も身につけてほしい」と口にする。今季は総得点を昨季の倍以上(151得点)記録するなど、指揮官の期待に応えた。バレー以外でも、久光の公式SNSなどで私服をアップしたり、ファン感謝祭ではアイドルのような衣装でダンスを披露したりと、多方面で注目を集める存在になりそうだ。



photo by Kurobane Shiro

■長野 有紗(ながの・ありさ)
所属:ヴィクトリーナ姫路 ミドルブロッカー・176cm
1996年9月13日生まれ 神奈川県出身 横浜隼人高→松蔭大

 1980年代後半に、父の一典さんが黄金時代の富士フイルムに所属するなど、家族全員がバレー経験者というバレーボール一家で育った。自身は中学、高校、大学まで神奈川県内の学校でプレーし、卒業後は地元を離れて姫路に入団した。

 モデルのような容姿も注目され、姫路がリーグ初となるスコートタイプのユニフォームを初披露した際には記者会見の壇上に立った。姫路はミドルブロッカーのチーム内競争が激しいが、そこを勝ち抜いての成長に期待したい。