■タイトル: DeNA vs 巨人 第1戦 (会場:横浜スタジアム)
■出場選手: 

(1回~3回)DeNA・山本 遼太郎/巨人・舘野 弘樹
(4回~6回)DeNA・河合 祐哉/巨人・吉田 友樹
(7回~9回)DeNA・辻 晴/巨人・坂東 秀憲

■スコア: DeNA 1―7 巨人
■戦評:
 コカ・コーラeクライマックスシリーズ、セ・リーグのファイナルステージ第1戦。2年ぶりのリーグ優勝を果たしたDeNAが待ち受けたが、ファーストステージを2連勝で突破した巨人が、勢いのままに先勝した。

初回、ファーストステージでも持ち前の打棒をこれまでかというほどに発揮した巨人・舘野が、ウィーラーで2ランホームランを放ち先制すると、3回にも岡本のソロホームランなどで4-0とリードを広げる。これで波に乗った巨人は、2番手の吉田、3番手の坂東もプレイヤー交代直後にホームランで加点する鮮やかな一発攻勢を披露。効果的に得点を重ねていった。

対するDeNAもセ・リーグ王者としての意地を見せたいところだったが、各プレイヤーが3イニングずつというポストシーズンならではのルールに試合勘を掴み切れない打撃が目立つ。6回にキャプテンの河合がソトでタイムリーを放ったものの、得点はこの1点のみ。

安定したパフォーマンスで終始優位に試合を進めた巨人がこの日“3連勝”となる白星を挙げ、下剋上での「SMBC e日本シリーズ」進出に王手をかけた。

 

■タイトル: DeNA vs 巨人 第2戦 (会場:横浜スタジアム)
■出場選手: 

(1回~3回)DeNA・山本 遼太郎/巨人・高川 健
(4回~6回)DeNA・辻 晴/巨人・舘野 弘樹
(7回~9回)DeNA・大茂 英寿/巨人・吉田 友樹

■スコア: DeNA 5―5 巨人
■戦評:
 コカ・コーラeクライマックスシリーズ、セ・リーグの第2戦は、上位対決に相応しい熱戦となった。終盤までもつれた試合は引き分けに終わり、これで巨人の1勝1分に。SMBCe日本シリーズ進出チームの行方は最終第3戦へと持ち越された。

初戦を落とし後がないDeNAだったが、1番手の山本が3イニングをパーフェクトに抑えると、オースティンの豪快な確定ホームランなどで2点を先制。1番手として完璧な仕事ぶりで流れを作る。

対する巨人は2番手の舘野が4試合連続となるホームランを放ち反撃ムードを高めるが、DeNA2番手の辻も負けじと2本のホームランを叩き込む気合のパフォーマンスを披露。リードを保ったまま3番手へとバトンを繋いだ。

逃げ切りを狙ってリリーフを投入したDeNAだったが、最終回に巨人・吉田が岡本で同点のソロホームランを放ち、試合は土壇場で振り出しに。その後はお互いに譲らず、痛み分けのドロー決着。追いついた巨人は第3戦を引き分け以上で終えると突破が決まり、敗れるとDeNAが突破という状況になった。

 

■タイトル: DeNA vs 巨人 第3戦 (会場:横浜スタジアム)
■出場選手: 

(1回~3回)DeNA・河合 祐哉/巨人・高川 健
(4回~6回)DeNA・辻 晴/巨人・吉田 友樹 ※
(7回~9回)DeNA・大茂 英寿/巨人・坂東 秀憲
※試合直前の舘野選手の体調不良により、相手チーム同意のもと吉田選手に変更。

■スコア: DeNA 2―0 巨人
■戦評:
 コカ・コーラeクライマックスシリーズ、セ・リーグのファイナルステージ第3戦は序盤のリードを守り切ったDeNAが勝利。1勝1敗1分ながら、上位チームアドバンテージによってSMBCe日本シリーズ進出を決めた。

巨人はここまで好調の舘野が試合直前の体調不良のため急遽欠場となり、吉田が代わって出場。主砲不在となった今季のセ・リーグ最終ゲームは、これまでの試合から一転して投手戦に。

DeNAはキャプテンの河合が1番手で登場すると、4番・佐野で2打席連続のタイムリーヒットを放ち、3回まで終わって2-0とゲームメイクに成功する。バトンを受けた2番手のDeNA・辻は追加点こそ奪えなかったものの、6回表に迎えた2死満塁の大ピンチで“満塁男”のウィーラーを打ち取り、僅差のスコアを維持したまま試合は3番手のプレイヤーに託されることになった。

3番手として登場したDeNA・大茂は早々に守護神の三嶋を投入すると、気迫のピッチングで相手を寄せ付けず。巨人・坂東も“勝ち運”の特殊能力を持つ菅野をスクランブルで投入するなど全力を尽くしたが、一歩及ばず。2-0でDeNAが完封リレーによる白星を挙げ、2年ぶり2度目のSMBC e日本シリーズ進出を達成した。

 

■ファイナルステージ総括:

初戦は1stステージを突破した勢いのままに攻めた巨人が白星を挙げたが、徐々にセ・リーグ王者のDeNAがペースを取り戻し得意のロースコア勝負へと持ち込むことに成功。2戦目こそ土壇場で追いつかれ引き分けに終わったが、3戦目では巧みな継投術で鮮やかな完封勝ちでリーグ王者の威信を見せつけた。

勝利したDeNAは試合間隔の長さに苦戦するスタートとなったが、回を重ねるごとにチームメイトで鼓舞しあうチームのスタイルが復活し、リーグ制覇の要因となった個々の特徴を活かした試合運びに成功した。

敗れた巨人は12球団唯一の3年連続eCS出場という経験値を活かしてベストに近いパフォーマンスを披露したが、1stステージから続く連戦にコンディションを維持することが出来ず、文字通り力尽きる結果となった。

■試合後コメント:

第1・3試合でともに1番手として出場したDeNA・山本選手

「投球は良くなかったが、目標にしていた1本のホームランが出てチームに勢いをつけられて良かった。(9イニングを戦うルールは)後ろに仲間が控えていて心強かった。ここまで来たら一番を取りたいので、あと一週間きっちりと調整したい。」

チーム唯一のルーキーながらシーズン5勝と勝ち頭の辻選手

「緊張していないつもりだったが、今思い返すと最初の試合では視野が凄く狭くなっていた。反省を生かして3試合目は良い投球が出来たと思う。(巨人・舘野との対戦は)抑えられると思って投げた球を打たれて、本当に強い相手だと実感した。日本シリーズではホームラン10本打ちます!」

クローザーとして2試合を締めた大茂選手

「2試合ともチームがリードの状況で回してくれたので、自分の役目を果たすことだけ考えていた。2戦目は力が入って失敗してしまったが、最後はチームの力に慣れて良かった。僕と河合選手は2年前のe日本シリーズを経験しているので、リベンジを果たせるようパワーアップして一週間後の試合に臨みたい。」

キャプテンとしてプレイ内外でチームを牽引した河合選手

「1試合目は相手の勢いに飲まれてしまったが、試合中に紹介される応援コメントを見て「いつも通り元気を出していこう」と声を掛け合うことができた。逆境を跳ね返せたのは、応援してくださっている皆さんのおかげだと思う。僕と大茂は2年前の(e日本シリーズ)敗戦で時が止まっているような感覚があるので、リベンジして時を再び動かしたい。来週もご声援よろしくお願いします。」