高校生から社会人を対象にアマチュア最高峰が集う本大会。早大相撲部から今年は長谷川聖記主将(スポ4=愛知・愛工大名電)と土屋和也(スポ1=静岡・飛龍)の2人が参戦した。また橋本侑京前主将(令2スポ卒)や榊原祥孝元主将(平28社卒)など早大相…

 高校生から社会人を対象にアマチュア最高峰が集う本大会。早大相撲部から今年は長谷川聖記主将(スポ4=愛知・愛工大名電)と土屋和也(スポ1=静岡・飛龍)の2人が参戦した。また橋本侑京前主将(令2スポ卒)や榊原祥孝元主将(平28社卒)など早大相撲部OBの顔ぶれが見られた大会でもあった。

 

 まずは2年連続での出場となった長谷川。前年までとは異なり、今大会は1回戦からトーナメント形式に。しかし、いずれにせよ「出てる人は強い人ばかり」ということで特に難しさは感じていなかった。そこでまずは「自分の得意である四つに組み止める」という意識で迎えた初戦。立ち合いすぐに右上手、左差しの有利な形へ持ち込んだ。下がる相手にしっかり密着して土俵際に追い込むと、すかさず腰を割る。そんな反撃の隙を与えない相撲で、危なげなく寄り切った。 

 


危なげなく寄り切った長谷川

 

 続く第二戦。立ち合い「上体だけ突っ込みすぎた」という長谷川を見るや、相手は左に大きく変化。体が泳いだ長谷川は、右上手を簡単に許すと出し投げを食らうことに。その勢いのまま長谷川は土俵を割ってしまった。 試合後に 「自分の形になって負ければ良かったんですけど」と悔しさを口にした。自身の実力を出し切れずの黒星に、『完全燃焼』とはいかなかった。

 

 一方、ルーキー土屋も「反省点ばかり」の納得のいく相撲が取れず初戦敗退。立ち合い踏み込まれると、相手の突きをもろに受ける形に。ここまで押し相撲も磨いてきたが、この時『安定志向』になっていたという土屋は回し狙いだった。いきなり受けの形に回ると、抵抗むなしく土俵から押し出されてしまった。 

 


両手をついて待つ土屋

 

 しかし、翌週には 早くも 東日本学生リーグ戦が控えている。今年度、早大相撲部が臨む最後の大会だ。『団体1部を死守』という有終の美を飾れるか。また、4年生にとっては、実力を持て余すことなく発揮し『完全燃焼』を果たせるか。さらに、翌日には東日本学生新人選手権も開催される見通し。実力者の1年生二人がどこまで勝ち進めるのかにも期待がかかる。異例の1年を締めくくる最後の大会まで、泣いても笑っても残り1週間となった──。

 

(記事 大貫潤太、写真 望月清香、大貫潤太)

 

結果

長谷川聖記(スポ4=愛知・愛工大名電)
1回戦 ◯対鳥山四段(福井県)寄り切り
2回戦 ●対菅野参段(中大)上手出し投げ

 

土屋和也(スポ1=静岡・飛龍)
1回戦 ●対池田参段(金沢学院大)押し出し
 

コメント

長谷川聖記主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

――今日の大会にどのような気持ちで臨みましたか

個人戦なので特に緊張はなく、自分の相撲が取れればいいかなという気持ちで臨みました。

――室伏渉監督(平7人卒=東京・明大中野)からは何か言葉はもらいましたか

肩の力を抜いて上半身で相撲を取らないように。下半身で相撲を取るように。といういつも言われていることを言われたのでそこを意識してやるようにしました。

――例年とは違いトーナメント式でしたかその辺りの難しさは感じましたか

出てる人は強い人ばかりなので、特に難しいということは自分はなかったです。

――初戦の相撲を振り返っていかがですか

相手も小さかったので、慌てずに自分の得意である四つに組み止めるということを意識して取ったので、しっかり回しも引けて落ち着いて対応できたので良かったかなと思います。

――2回戦は注文相撲で敗れましたが、相手の変化は頭にはありませんでしたか

何回もやっている相手なので頭には入れていたんですけど、どうしても上体だけ突っ込みすぎた部分があったのでそこが良くなかったかなと思います。

――今日の結果を振り返ってみていかがですか

自分の形になって負ければ良かったんですけど、横にいなされて負けてしまったのでそこは少し悔いがあるというか。でもこれが今の自分の力なのでしょうがないかなとは思います。

――最後に来週の東日本学生リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

先輩方がずっと1部を守ってきてるので、何とかみんなで力を合わせて1部に残って最後の学生相撲をいいかたちで終われればいいかなと思っています。

土屋和也(スポ1=静岡・飛龍)

――今大会、どのような意識で臨まれましたか

思い切って取ろうと思っていました。

――大会を終えられた今、どのようなことを思われますか

今日はあまり激しいような相撲が取れなかったです。安定志向で回しを取りに行ってしまったのが良くなかったですね。相手も踏み込んできましたが、自分はあまり踏み込めなかったので、後悔していますね。反省点ばかりです。

――「回しを取りに行ってしまった」ということですが、本来は四つ相撲の型でしたよね

最近は押し相撲でやってるんです。ですが今日は少し弱気になってしまって、もともとの四つ相撲に戻ってしまいました。そこは良くなかったですね。

――今後は押し相撲も磨いていくということでしょうか

 押していかないとやはり勝てなくなってきていますよね。(長谷川)聖記さんと稽古をやっていても、四つ(相撲)だと勝てないので、押し(相撲)も積極的にやっていきます。

――改めて今日の取組をご自身の言葉で振り返っていただけますか

相手が強かったのはもちろんですが、相手の突きをもろに受けてしまったのが一番大きかったです。出足も強く踏み出せませんでした。

――来週の大会に向けて、まずは東日本学生新人選手権についての意気込みを教えてください

(結果に関して)あまり強くは意識はしていないですね。次につながる大会というわけではないので、気負わずに取りたいなと思っています。

――東日本学生リーグ戦に関してはいかがですか

団体戦ということでプレッシャーがかかりますが、二陣を任されているので、まずは(チームに)勢いをもたらせられれば、という感じです。