東京六大学野球秋季リーグが9月19日に開幕。初日の第2試合では、早大が7対1で明大に快勝して白星発進を決めた。

早大のエース左腕・早川が圧巻の奪三振ショーを繰り広げる

 今夏に9日間(8月10〜18日)集中で行われた春季リーグで、3勝2敗の3位だった早大と1勝4敗の4位だった明大の対戦。
 早大は今秋のドラフト1位候補左腕の早川隆久(4年・木更津総合)が先発。対する明大もドラフト候補に挙げられる右腕・入江大生(4年・作新学院)がマウンドへ。16年夏の甲子園準々決勝で対戦(入江は打者で出場)快速球自慢の4年生同士の投げ合いで試合が始まった。
 その立ち上がりだった。早大が1回裏、2死から3番・瀧澤虎太朗(4年・山梨学院)が四球と盗塁で2塁に進むと、4番・岩本久重(3年・大阪桐蔭)がフルカウントからタイムリー2塁打を放って1点。さらに5番・丸山壮史(3年・広陵)が初球を叩いてライトオーバーのタイムリー2塁打。早大が初回から2点をあげ、試合の主導権を奪った。
 投げては、小宮山悟監督が「自信を持って送り出している」というエース・早川が余裕たっぷりの快投劇。初回に2三振を奪うと、その後も150キロを連発させながら、鋭いスライダーにカットボールも交えて次々と空振りを奪い、3回無死から5者連続三振をマークするなど、5回までに10個の三振を奪う奪三振ショーを繰り広げた。
エースの快投に打線も応える。5回裏、早大打線が再び入江に襲いかかり、2番・吉澤一翔(4年・大阪桐蔭)のタイムリーや4番・岩本のタイムリー3塁打などで計4点を奪取。6回裏には早川にもリーグ初打点となるタイムリーが飛び出して7点目。この日から入場可能となった応援団の声も大きく響き、「応援があるだけでも気持ちが全然違う。応援の力は偉大だなと思いました」と早川。その早川は終盤になっても球威は衰えることなく、8回もこの試合3度目の三者三振。「そこは反省」と、最終回に2死から1点を失ったものの、計123球、2時間8分で試合を終わらせた。

この日から応援団の入場が解禁となり、外野席後方に陣取る早稲田応援団。NHKの朝ドラ「エール」でも話題の『紺碧の空』も神宮で2020年初披露した

敗れた明大は、先発の入江が5回7安打6失点と誤算。打線も早川の前に攻撃の糸口さえつかむことができずに三振の山。土壇場の9回裏2死1塁から2番・西川黎(1年・履正社)のタイムリー3塁打で一矢を報いたが、放ったヒットは西川の2本のみ。8月10日に行われた春季リーグ開幕戦(1対5)に続いて、再び早川に1失点完投を許した。

■明治大vs早稲田大
明大 000 000 001=1
早大 200 041 00X=7
【明】●入江、磯村、西城、石原-篠原、植田
【早】○早川-岩本

◎早稲田大・小宮山悟監督
「早川が抑えてくれるだろうということで、いかに点を取るかという試合だった。去年の秋は3試合連続シャットアウト負けのスタート。とにかく2ケタ得点を取ろうと試合に臨んだ。ちょっと(得点数が)足りなかったですけど、集中打で点数を取ることができていましたし、オープン戦からのいい状態を保ったままリーグ戦の開幕を迎えられた。早川(の好投)は想定内ですから。あれだけのボールを投げられる訳で、自信を持ってマウンドに送り出している。しっかりと投げてくれました。最上級生の自覚が出てきて、すべて良くなった。球の速さ、制球力にピッチングのコツもつかんだ」

◎早稲田大・早川隆久(4年・木更津総合)
「調子自体はそこまで良くなかった。いつも通りと思って投げました。力で投げるというより、コースに丁寧に投げることを意識したことが、こういう結果につながった。低めに丁寧に投げた中でカットボールが機能した。岩本のリードが良かった。(初打点は)今までタイムリーっぽい当たりはあったんですけど本塁タッチアウトになっていた。初打点がついてうれしいです。このような勝ち方をできたことですごい自信になる。入江とは大学1年の頃から投げ合おうと言い合っていたので、そういう意味でも今日はいい1日になった」

◎明治大・田中武宏監督
「ロースコアになるだろうということで、野手が工夫しないといけない試合だったが、早川君にそれを上回るピッチングをされた。入江は粘り負け。初回いい形で2アウトを取ったけど、その後に走者を許して、盗塁を決められた。今日はすべての球際で負けた。早稲田さんの執念に負けた。打線も1年生の西川の2本だけですから、何の言い訳もできない。試合に出たがっている選手はたくさんいる。明日に向けてメンバーの変更も考えたい。」

◎明治大・入江大生(4年・作新学院)
「開幕戦、大一番でこれくらいのピッチングしかできないのが、自分の実力なんだと実感しました。神宮で応援してくださったファン、応援団の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(早川は)自分よりもいいボールを投げるということはわかっていた。勝ちたい、チームを勝たせたいという気持ちだけは負けたくないと思ってマウンドに立ったんですけど…。こういう圧倒的な力の差を見せつけられて負けるというのは非常に悔しい。次は絶対に頑張りたい。明日から目の色を変えて、人格をかけてやっていきたい」