コロナウイルスの影響を受け、関東学生春季リーグ(春季リーグ)や全日本学生選手権大会(インカレ)が中止となった中、無観客という条件で開催された関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)。観客がいないという異例の状況で2020年の早大の戦いは幕を開けた…

 コロナウイルスの影響を受け、関東学生春季リーグ(春季リーグ)や全日本学生選手権大会(インカレ)が中止となった中、無観客という条件で開催された関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)。観客がいないという異例の状況で2020年の早大の戦いは幕を開けた。前年度のインカレで準優勝を果たした筑波大との対戦だったが、前半から相手の攻撃に苦しみながらもなんとか4点差で折り返す。後半、阿部美幸(スポ3=東京・佼成学園女)のディスタンスシュートなどで追い上げるも、終始主導権を握ることができず、18-27の敗戦となった。 

 筑波大のスローオフで始まったこの試合。開始直後からその攻撃が牙をむき、いきなり早大は連続失点を喫してしまう。その後は前半開始7分の村上楓(スポ1=福岡・明光学園)の得点などで同点とするも、失点を重ね3-7となった場面で早大はたまらずタイムアウト。試合再開後も相手PVのフィジカルに対応しきれず、前半16分には5点リードを許してしまった。しかし、17分過ぎに相手にペナルティスローを献上した際に交代して出場した川村夏希(スポ1=東京・佼成学園女)が見事にこのペナルティスローを防ぎ、相手にわたりかけていた試合の主導権を引き戻す。そして、前半22分過ぎに紅林詩乃(スポ3=東京・佼成学園女)が相手DFとの争いに粘り勝ち、ペナルティスローを獲得。これを岡崎麗(教4=埼玉・浦和実)が冷静に決め、反撃の狼煙を上げる。膠着した状態が続いたが、吉田瑞萌(スポ4=東京・佼成学園女)がまたもペナルティスローを獲得。これも岡崎が相手ゴールに沈め、連続得点を挙げる。まもなく、速攻でお互いに1点を失い、8-12で前半を終えた。 


冷静に構える川村

 後半開始間もなく、速攻から失点を許したが、すぐに阿部美のディスタンスシュートで応戦。続けて、この試合LWに入っていた佐藤優花(スポ2=東京・佼成学園女)が鋭いサイドシュートを相手ゴールに突き刺すなど撃ち合いの展開となってくる。後半5分過ぎに紅林の退場による数的不利により点差を広げられるも、吉田のロングシュート、衣川直緒(社4=愛知・星城)の速攻で3点差に詰め寄った。しかし、吉田が「中々リズムが掴めなかった」と振り返ったように、パスミスが重なり上手く流れに乗り切れない。その間に逆速攻やサイドシュートなどから失点が続き、じりじりと点差が離れていく。タイムアウトでなんとか修正を図り、吉田が意地を見せ強引な突破から得点を挙げるも、逆転は叶わず。18-27で試合終了のブザーが鳴り、残念ながら2020年の初めての公式戦を白星で飾ることはできなかった。


終盤に強引な突破を図る吉田

 今年度初めての公式戦となった筑波大戦。「自分たちらしくなかった」と吉田が試合後に語ったように、重なるミスでリズムを掴み切れなかったが、得点を挙げ、CBで躍動した村上とGKとして堅実なキーピングを見せた川村の1年生の活躍という光明も差した。特に川村を中心としたDFは連携が取れていて、筑波大の屈強な攻撃を何度も跳ね返した。無観客という独特なムードで行われる秋季リーグ。今回の一戦で見つかった課題を修正し、川村が「筑波に負けたことを引きずらずにやっていきたい」と意気込んだように、一戦必勝を目指し、次の日体大戦へ早大は挑む。 

(記事、写真 杉原優人)

関東学生秋季リーグ
早大188-12
10-15
27筑波大
GK 江連織圭(スポ2=千葉・昭和学院)
LW 佐藤優花(スポ2=東京・佼成学園女)
LB 吉田瑞萌(スポ4=東京・佼成学園女)
PV 紅林詩乃(スポ3=東京・佼成学園女)
CB 村上楓(スポ1=福岡・明光学園)
RB 阿部美幸(スポ3=東京・佼成学園女)
RW 衣川直緒(社4=愛知・星城)
コメント

吉田瑞萌(スポ・4=東京・佼成学園女)

――新チームとして初めての公式戦の感想は

きょうの試合はあまり良くなくて、自分たちらしくなかったなというのが一番の印象です。前半の出だし10分が勝負と監督にも言われていたけど、中々リズムが掴めなかったのが悔しいなと思います。

――チーム全体の雰囲気はいかがでしたか

初戦ということもあって、春リーグもなく公式戦初ということも重なってみんな硬かったというか、最初から足を動かしてやろうねと話していたのですが、表情も体も硬かったかなと思います。

――特にどのような点で苦しみましたか

DFはアグレッシブに行けてて結構良かったかなと思いますけど、OFでいつもやらないようなミスを連続でしてしまって、そこから相手に逆速攻で走られてしまうという展開だったので、どこかで修正できたらよかったかなと思います。

――逆に収穫はありましたか

DFはキーパーとの連携も結構できていたので、悪くなかったかなと思います。

――1年生の活躍も印象に残りましたが、いかがですか

相手が新しく入ってきた子たちのことを知らなかったこともあって、思い切り、1年生らしくのびのびプレーしてくれたので、良かったなと思います。

――次戦の意気込みをお願いします

筑波戦でできたことも悪かったところもあったのですが、一週間の間に修正して、次の日体戦、東海大戦とこれまで上位だったチームと当たっていくのですが、しっかり気持ちで負けないようにやっていこうと思います。

川村夏希(スポ1=東京・佼成学園女)

――初めての公式戦の感想は

今年は春季リーグがなくなってしまって、今回の大会が4年生と試合ができる最後の大会ということで、自分自身も今まで試合経験が無かったのですが、4年生とできる最後の試合だと思って闘争心を燃やしながら試合に臨みました。結果的には負けてしまったのですが大学生というカテゴリーで初めての試合で自分自身の力は個人的には発揮できたのではないかと思いますが、チームとしての力はまだまだ発揮できずに終わってしまったのではないかなと思います。

――全体的によいキーピングが見られました。高校生から大学生での変化はありましたか

まず体格とフィジカルが高校生とは全然違うなと感じました。それに伴って球速がすごく速くなり、今までのキーピングでは追いつかない様なシュートがたくさん来るので、そこはただボールを追うだけではなく、予測をしたり自分から仕掛けたりという部分をもっと課題としてやっていかないといけないかなと感じました。

――次戦に向けた改善点はありますか

個人的にはループシュートに対するキーピングを課題としてこれからの練習で取り組んでいきたいなと思います。チームとしては、これからの一戦一戦がだんだんと最後に向かって行くと思うので、もちろん試合に勝つことを重要視したいですが、今このチームでできる最後の試合だということを噛み締めながら楽しんでやっていきたいなと思っています。

――次戦の意気込みをお願いします

次は日体大との試合なので、次こそは絶対に勝てるように、チーム一丸となって雰囲気を上げて、筑波に負けたことを引きずらずにやっていきたいなと思います。

COLLEGE ATHLETE TV   2020.09.14 00:44
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