8月12日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの3日目が行われ、第1試合では慶大が6対4で追いすがる立大を退けた。

試合のポイントとなった4回裏。慶大が相手のミスに乗じて3点を奪って逆転に成功する

 2日前の東大戦を5対4のサヨナラ勝ちした慶大と前日の明大戦を4対3で競り勝った立大との対戦。慶大は今秋のドラフト候補の最速155キロ右腕・木澤尚文(4年・慶應)が昨春の早慶戦以来の先発、対する立大は中﨑響介(4年・立教新座)がリーグ戦14試合目にして初先発のマウンドに上った。
 序盤に試合のペースを掴んだのは立大。初回に1番に座った主将・宮慎太朗(4年・市船橋)が3塁まで進み、内野ゴロの間に1点を先制すると、さらに4回表には「いい投手が相手でワクワクしていた」という2番・太田英毅(3年・智辯学園)がレフトスタンドへソロ本塁打を放り込んでリードを2点に広げた。
しかし、4回裏に一気に潮目が変わる。慶大が嶋田翔(4年・樹徳)、福井章吾(3年・大阪桐蔭)のヒットで2死1、2塁とし、9番・木澤が四球を選んで満塁とすると、1番・下山悠介(2年・慶應)の鋭い打球を立大の遊撃手・宮が捕球できずに1点。これに三塁への悪送球も重なって同点となると、さらにワイルドピッチで勝ち越しに成功。立大が自滅する形で、慶大が3対2と試合をひっくり返した。

慶大が誇る本格派右腕の木澤が7回途中まで投げて計16奪三振をマークした

 リードを手にした木澤は、そこから圧巻のピッチングを展開した。150キロ前後の豪速球にカットボール、そして「高校時代から投げていましたけど、特にこの自粛期間中に感覚を掴んだ」というスプリットを駆使し、5回に3者連続三振、続く6回も2三振を奪うと、7回には無死2塁のピンチの場面から再び3者連続三振の離れ業。この力投に慶大打線も応え、7回裏に4番・正木智也(3年・慶應)のこの日3本目のヒットなどでチャンスを作ると、4番手でリリーフ登板した立大のエース・中川颯(4年・桐光学園)から、途中出場の渡部遼人(3年・桐光学園)のタイムリー3塁打を放って2点を追加した。
その後、8回表に木澤が走者を許した場面で降板し、犠牲フライ2本で1点差とされた慶大だったが、その裏に1点を奪って再び2点差とすると、2番手で登板した増居翔太(2年・彦根東)がしっかりと自分の役割を果たし、6対4で試合終了。木澤は7回0/3を115球、4安打2失点で計16奪三振。ドラフト候補として疑いの余地がない堂々たるピッチングを披露し、チームの2連勝スタートに笑顔を見せた。

■立教大vs慶應義塾大
立大 100 100 020=4
慶大 000 300 21X=6
【立】●中﨑、宮海、栗尾、中川-竹葉、片山
【慶】○木澤、増居-福井
本塁打:立大・太田(4回ソロ)

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「木澤と福井のバッテリーがよく粘ってくれた。それがいちばんの勝因でしょう。木澤は変化球をうまく使えていた。ボールもコントロールできていましたし、配球も良かった。帰るタイミングは悩みましたが、この暑さと疲労を考えて、(2番手の)増居も信頼の置けるピッチャーですので代えました。打線はラッキーな点の取り方もあった。ツキも味方してくれましたけど、中川からよく点を取ったと思います」

◎慶應義塾大・木澤尚文(4年・慶應)
「福井が相手と自分の状態を見ながら、うまくリードしてくれた。瀬戸西のファインプレーもあって、バックに助けられながら8回途中まで投げられた。今日は真っ直ぐが良くて、真っ直ぐを意識させながら、変化球を活かせた。特に後半はスプリットをうまく使えた。明日も試合がある。残り3試合も投げるつもりで準備したい」

◎立教大・溝口智成監督
「追い上げたんですけど、リードのされ方がミスからの3点だったので…。結果論にはなりますが、取れるアウトを取っておけば、もっと勝負になったのではと思います。(先発の)中﨑はなんとか4回は、と思ったんですけど、まだまだ力を付けていかないといけない。打線は今日、だいぶ三振を取られましたけど、木澤君が相当良かったということもありますし、これでバットを振れられなくなることがないようにしたい」