メジャーのレッズ傘下マイナーを退団していた田澤純一投手が、日本の独立リーグのルートインBCリーグ・埼玉武蔵に入団するこ…
メジャーのレッズ傘下マイナーを退団していた田澤純一投手が、日本の独立リーグのルートインBCリーグ・埼玉武蔵に入団することが、13日に発表された。
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メジャーでは日本投手歴代3位となる388試合に登板した。昨年はメジャー登板こそなかったものの、マーリンズに在籍した2017年には年俸700万ドル(約7億7000万円)もの高給を手にしていた。それが平均月給15万円ともいわれる、日本の独立リーグから再起を図る、というのである。
反響の大きさは、世に知られる「田澤ルール」の存在も相まって広がっていった。
田澤ルールとは「アマチュア選手がNPBのドラフト指名、もしくはNPB入りを拒否し、海外球団と選手契約を結んだ場合、海外球団を退団した後も大卒・社会人は2年間、高卒は3年間はNPB所属球団との契約を禁止する」というもの。これにより田澤は、少なくとも来季いっぱいまではNPBでプレーすることができない。
ルール自体、田澤がメジャー挑戦を表明した2008年につくられたもので、あくまで12球団間での申し合わせ事項にすぎない。日本人選手の青田買いを防ぐためのものなのだが、少々感傷的な批判が目立つのも事実だ。
まず田澤の日本の独立リーグ入り、というショッキングなニュースと同時に注目され、批判が強まった。ただし、田澤ルール以前の原則として、田澤がNPBでプレーするには最低限でもドラフト指名を経なければならない。これは田澤に限った話ではなく、例えばメジャー帰りだったマック鈴木や多田野数人らも、同じ原則に従っている。来季以降の話はともかく、少なくとも今シーズンに限って言えば、渡米時のいきさつを抜きにしても田澤にはNPBでプレーする資格がなかった。
よく例え話に挙がるのが昨年ソフトバンクと契約したカーター・スチュワート投手のケースだ。昨年の米ドラフト直前、メジャー球団から上位指名が有力視されていたスチュワートが、突如ソフトバンクと電撃契約を交わした。まさに逆・田澤版ともいえる格好で来日。「それでもメジャー球界はスチュワート・ルールなんてものをつくらなければ、考えもしなかった」と日米球界のけつの穴の大きさを比較するかのようにはやすが、それこそ暴論である。両球界の立ち位置やアマチュアの人材豊富さを比べれば、メジャーが日本による青田買いなどに怯える必要は全くないことは、誰にだって分かる。
もっとも田澤がメジャー挑戦した12年前と比べ、世界の球界の勢力図も変化した。メジャーは海外アマチュアFA選手獲得のルールを厳格化し、若手プロにも適用。彼らと契約できる総年俸にも厳しい上限を設けた。無用なマネーゲームを避けるため、自ら巨額資金による世界からの青田買いを封じたのである。このルールは大谷翔平にさえ適用され、当初は総額2億ドル(約200億円以上)とも言われていた大谷の渡米時の契約金は、メジャー最低年俸の6000万円の単年契約へと押さえつけられた。
田澤ルールの見直しは確かに必要だろう。しかし、今さら独立リーグでのプレーを余儀なくされた田澤に対して、ことさら感傷的に体制を批判するのも違う。
田澤は2013年には上原浩治へとつなぐセットアッパーとしてワールドシリーズ優勝に大きく貢献。自らの力でチャンピオンリングをつかんだ。そしてメジャー10シーズン以上の登板で、総額25億円以上ものサラリーを稼ぎ出してきた。34歳という年齢的にはもう一花、というところだろうが、故障歴やここ数年の投球結果を見れば、全盛期の投球は望めないのも事実。今さらNPBのマウンドに未練や、求めるものがあるとも思えない。
一つ間違いなく言えることは、2008年にNPBからの脅しなどに屈せず、自らの意思を貫いて大成功を収めたということ。ルールに邪魔される悲劇の主人公などではなく、ファンは立派な成功者として迎え入れるべきだ。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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