張本智和、丹羽孝希、水谷隼の男子五輪組がそろう木下がファイナルへ進出

 2年目を迎えたTリーグは2月16日、レギュラーシーズンの全日程を終え、プレーオフファイナル出場チームが決定した。女子は1年目のシーズンと同様、日本生命レッドエルフと木下アビエル神奈川が出場権を獲得。男子は木下マイスター東京が初代王者の貫禄を見せつけ1位通過を果たし、2チーム目はT.T彩たまとの最終戦を制した琉球アスティーダが初の両国国技館への切符をもぎ取った。

 振り返れば、Tリーグの2シーズン目は、東京五輪の代表レース争いが注目され始めた8月下旬に開幕した。それぞれ移籍・退団する選手もいたため、各チームの勢力図も変化。琉球から木下に移籍した丹羽孝希や、彩たまから琉球に活躍の場を移した吉村真晴など、エース級の移籍がリーグ2年目から行なわれたのは印象的であった。

 また、翌年の東京五輪を控え、中国側が日本選手を警戒し、中国選手の派遣禁止を決定したことも、各チームに大きな影響を与えたことは間違いない。

 日本生命は、昨シーズンのダブルスベストペア賞を獲得した常晨晨(チャン・チェンチェン)、蒋慧(ジャン・ホイ)が参戦不可に。木下アビエルは、昨シーズンのマッチ勝利数2位の袁雪嬌(エン・シュエジャオ)がチームを抜ける形となった。開幕前は、失った戦力の穴をどうにかして埋めるべく、それぞれの監督は頭を抱えていたことだろう。

 とはいえ、1位通過を決めた初代女王の日本生命は、チームマッチ数21試合中14勝7敗で勝点51、前年度よりも1勝上回る成績を残した。

 戦力としては、東京五輪代表「3枠目」を勝ち取った平野美宇、ファイナルでの2勝を含め1年目13勝無敗で初代MVPを獲得した早田ひなの2枚看板に加え、世界ランキング16位の田志希(チョン・ジヒ/韓国)、同26位の陳思羽(チェン・ズーユ/タイペイ)という世界ランカーが名を連ねていた。

 とくにチームを支えたのは、女子シングルス14勝7敗で最多勝に輝いた森さくらだ。国際大会への出場でチームに帯同できる時間が少なかったメンバーがいるなか、エースとしてファイナル進出に導いた。さらに女子ダブルスで勝率1位となった前田美優の活躍も、今シーズンの好成績の大きな原動力になっていたのは間違いないだろう。

 その日本生命に立ち向かう木下アビエルは、2位通過を決めたものの、初年度の18勝3敗という圧倒的な結果に対し、今シーズンは13勝8敗と大きく成績を落とした。

 シングルスで袁が抜けたことに加え、石川佳純の出場試合が減り、女子ダブルスの長﨑美柚/木原美悠ペアが昨シーズンより勝利数を落としたことが影響したと言える。

 それでもファイナルでは、コンディション不良がない限り、両チーム共に全戦力によるぶつかり合いが予想される。日本生命は平野、木下アビエルは石川と、五輪代表を決めている選手がチームを引っ張っていくことだろう。とくに石川はデータ分析による緻密な戦略で、ここのところポジティブな試合ができている。

 日本生命が連覇を飾るか、それとも木下アビエルが昨シーズンの雪辱を果たすのか。第1マッチのダブルスから目が離せない。

 一方の男子は、開幕前の下馬評どおり、初代王者の木下マイスターが15勝6敗でファイナル進出を決めた。戦力としては、なんと言っても張本智和、丹羽孝希、水谷隼の東京五輪内定組の存在が大きい。もちろん代表レースによる海外遠征でチームを離れることが多く、それぞれ突出した成績を残したわけではないが、ここ一番での勝負強さとリーグ随一の注目度・ファンの多さで2年連続のレギュラーシーズン1位に大きく貢献した。

 だが、それだけではない。12月までに10勝を挙げ、2シーズン目の前期MVPに輝いた侯英超(ホウ・エイチョウ)や、男子ダブルス11勝4敗でダントツ1位の田添健汰、1月の全日本選手権で初のシングルス優勝を決めた宇田幸矢といった若手の台頭もチーム首位の大きな原動力となった。この分厚い戦力を誇る木下マイスターは、間違いなく2シーズン目の優勝に向けて大きくリードしていると言える。

 それに対抗する琉球は、11勝10敗という成績でプレーオフ最後の枠に滑り込んだ。

 2位・彩たまとの勝点差わずか1点で迎えた2月16日の最終戦。勝ったチームがファイナル進出という状況だった。試合はマッチカウント2-2でビクトリーマッチにまでもつれ込み、最後は荘智淵(ジュアン・ジーユアン)が松平健太を11-7で下して両国への切符を勝ち取った。

 チームや個人の成績だけを見れば、初代王者には遠く及ばない。だが、対木下マイスター戦の結果に目を通すと4勝3敗、勝率.571、4-0でストレート勝利も1度あるなど、まったくひけを取らないどころか、彼らを上回っていた。木下マイスターの優勝を推す声の多さは変わらないだろうが、まさかの下克上Vが起きる可能性も捨てきれない。

 いずれにせよ、すべては3月14日(土)のプレーオフファイナルで決まる。舞台は新たな”卓球の聖地”両国国技館。栄冠を手にするのは果たしてどのチームになるのだろうか。