「最後まで走っていきます、よろしくお願いします」 試合後のステージで、大勢のオーディエンスを前に堂々と宣言した男。オリックス・バファローズのキャプテン指宿聖也の言葉だ。eBASEBALLの厳しさを知る男は、まっすぐに明日だけを、ファイナル…

「最後まで走っていきます、よろしくお願いします」

試合後のステージで、大勢のオーディエンスを前に堂々と宣言した男。オリックス・バファローズのキャプテン指宿聖也の言葉だ。eBASEBALLの厳しさを知る男は、まっすぐに明日だけを、ファイナルステージだけを見据えていた。

2020年1月18日(土)19日(日)の2日間、「eBASEBALL プロリーグ 2019シーズン コカ・コーラ eクライマックスシリーズ」が東京・銀座KONAMI新社屋で開催中だ。

こけら落としとなった銀座・KONAMIの新社屋で最初に笑ったのは、昨シーズン悔し涙をたくさん経験した男だった。感情むき出しでコントローラーを握り常に全力で。そして、仲間と泣き笑い、不平不満など言わず、パワプロとただただ向き合った。

そして1年後。

戦いの準備は充分すぎるほど整っただろう。オリックス・バファローズ代表4選手の想いは、ひとつ。

「日本一をオリックスという球団で取りたい」

昨シーズンの悔しさは、恐らくマリーンズも同じだ。

日本一まで、あとふたつ。内容よりも勝利が欲しい。クライマックスシリーズで対戦した楽天の三輪選手(ねお選手)は、こんな言葉で今のオリックスを表現した。

「実力だなぁ、と思い知らされました」

あすは、ファイナルステージで激しい戦いがパ・リーグでも展開される。勝利の女神が微笑むのは、勢いに乗るオリックスか?それとも盤石の布陣で挑むマリーンズか?

最後の最後に勝利を掴むのは、パワプロの神のみぞ知る。

泣いても笑っても、あす。およそ24時間後に日本一という栄冠を、今か今かと目の前で掴もうとするセ・パ2球団がお目見えする。

文/スポーツブル編集部

撮影/運動通信社

「eクライマックスシリーズ※」とは?

「eクライマックスシリーズ」は、セ・リーグとパ・リーグのシーズン上位3球団が対決。勝ち抜いたチーム同士が日本一の座をかけて、「SMBC e日本シリーズ」で激突する。日程は、全二日間で行われ、ファーストステージ全6試合とファイナルステージ全6試合の12試合が展開されるという。大会スケジュール(予定)※詳しくは「eBASEBALL プロリーグ​」公式サイトをチェックしよう。

【1月18日(土)】ファーストステージ

◇パ・リーグ パ・リーグ2位 VS パ・リーグ3位  第①試合 12:00~ ②13:10~ ③14:25~

◇セ・リーグ セ・リーグ2位 VS セ・リーグ3位 第①試合 15:45~ ②16:55~ ③18:10~※③については、先に2勝したチームがいる場合は実施しない

【1月19日(日)】ファイナルステージ

◇パ・リーグ  パ・リーグ1位 VS パ・リーグ ファーストステージの勝利チーム 第①試合12:00~ ②13:10~ ③14:25~

◇セ・リーグ  セ・リーグ1位 VS セ・リーグ ファーストステージの勝利チーム 第①15:45~ ②16:55~ ③18:10~※③については、先に2勝したチームがいる場合は実施しない

【SPBL/取材メモ〜eBASEBALLな風景】

昨シーズン、オリックスでプレーしたeアスリート・N-岡田氏が会場に姿を見せた。あすのオリックス対マリーンズにおいて、プレイヤーズ解説として事前取材の準備を整えていたのである。

大勢のメディアに囲まれ、試合を振り返る様子をじっと見つめていた彼は「あす絶対に泣きませんからね!」と笑った。勝利の瞬間というよりも、安堵の表情を浮かべていた。

「戦友、って言うんですかね」

パ・リーグ最多本塁打11本を記録した指宿選手は照れながらも、プロのeアスリートとしてなんとか冷静にメディア対応を続ける。

試合後の囲み取材に応じるオリックス代表4選手

そして、その横でもっと恥ずかしそうにかつてのチームメイトの言葉を受け止める、N-岡田氏。なんともオリックスらしい光景だ。しかし、2020シーズンのオリックスは少しだけ若い力も加わりチームの個性も変化した様子。

「ドラ4の僕にもアドバイスくれたりして(N-岡田さんとは)趣味も合いますし、なんとか勝ってるところをみせたいです」

事前取材に余念がないN-岡田氏 公式記録もチェックする

やっぱり、という表現が正しいのかはわからない。オリックスの代表4選手は、人間らしい。

「今日の試合は、自分自身のプレーで精一杯。周りを感じる余裕は無かったです」

かつてのチームメイトの言葉にうんうんとうなづいていたeアスリート・N-岡田氏も魂を込めて、あすの解説席へ挑む。

「涙は日本一まで取っときます!」

主将の言葉のように、彼らは2020シーズンのパワプロ日本一を目指し集中する。感情打線爆発で、勝利を目指すオリックスの代表4選手と解説席から放たれるN-岡田氏のオリックス魂に注目しよう。

オリンピックイヤー2020年の銀座にeスポーツの聖地が誕生した