ATP(男子プロテニス協会)が2019年に行われたATPツアーの試合から、ベストマッチ6試合を発表。BIG3以外が活躍した試合が多く選出されており、まさに世代交代を感じさせるものとなった。■第…

ATP(男子プロテニス協会)が2019年に行われたATPツアーの試合から、ベストマッチ6試合を発表。BIG3以外が活躍した試合が多く選出されており、まさに世代交代を感じさせるものとなった。

■第6位「ATP1000 上海」準々決勝

○アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ) 6-3、6(7)-7、6-3 ●ロジャー・フェデラー(スイス)

2019年はここまでマスターズ1000の大会に7度出場したが、最高でベスト8が2回だけだったズベレフだが、この試合でフェデラーを破り、準決勝に進出。フェデラーとの通算対戦成績を4勝3敗としたズベレフは、決勝でダニール・メドベージェフ(ロシア)に敗れたものの、今年のマスターズ1000で一番良い成績を残した。

■第5位「ATP1000 ローマ」準々決勝

○ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 4-6、7-6(6)、6-4 ●フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)

大会4日目が雨のために中止となり、両者ともに前日に2試合を勝ち抜いて迎えたこの試合。3時間1分に及ぶ戦いを制したのは、ディフェンス力に優れたジョコビッチ。第2セットのタイブレークで2本のマッチポイントをしのいで勝利を手にした。

■第4位「Nitto ATPファイナルズ」決勝

○ステファノス・チチパス(ギリシャ) 6(6)-7、6-2、7-6(4) ●ドミニク・ティーム(オーストリア)

片手バックハンド同士という珍しい対決で、さらにBIG3からの世代交代を感じさせた最終戦の決勝。接戦を制したチチパスは「人生初の素晴らしい経験をしている」と喜びを爆発させた。

■第3位「ATP500 ワシントンD.C.」準決勝

○ニック・キリオス(オーストラリア) 6-4、3-6、7-6(7) ●チチパス

試合の内容もさることながら、キリオス劇場とも言われるパフォーマンスが注目された。試合途中でシューズが壊れ、修理を頼んだチチパス。そのシューズをスタンドにいた、コーチを務めるチチパスの父親が修理したが、それを受け取ってチチパスにキリオスが運んだ。しかも、うやうやしく頭を下げて膝をついて渡したので、会場からは笑いや歓声が巻き起こった。

■第2位「ATP1000 インディアンウェルズ」決勝

○ティーム 3-6、6-3、7-5 ●フェデラー

2019年シーズンが始まって、1月2月と良い結果を残すことができなかったティームだが、決勝でフェデラーを倒し、自身初となるマスターズ1000での優勝を果たした。ティームは「これは、私が手にした最初の、本当に大きなタイトルです」と語っている。

■第1位「Nitto ATPファイナルズ」ラウンドロビン

○ティーム 6(5)-7、6-3、7-6(5) ●ジョコビッチ

2時間47分、フルセットの戦いを逆転で制したティームが、自身初となる決勝トーナメント進出を果たした。試合後にジョコビッチは「彼が勝つに値すると思った。彼はとても勇気のあるテニスをしていて、とにかくボールを叩いていた」とティームを称えた。

グランドスラムの試合は対象外とはいえ、BIG3の中でラファエル・ナダル(スペイン)が1試合も選ばれていないことに驚く結果となった。また、若手の中ではティーム、チチパスがそれぞれ3試合と2試合選出されており、次世代の中では頭一つ抜けている印象を受ける。

ここに選ばれていない試合にもドラマはたくさんあり、選ばれていない選手にも光るものが多くあった。来年はどのような試合や選手が私たちを驚かせ、感動させてくれるのか、期待したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は1位に選ばれた「Nitto ATPファイナルズ」でのジョコビッチ(右)とティーム(左)

(Photo by Julian Finney/Getty Images)