2020年7月24日に開幕する東京オリンピック。自国開催ということで例年以上の盛り上がりが予想されるが、テニスファンにとっても世界のトップレベルのテニス選手たちがメダルを目指して戦う姿を目撃できる貴重な機会となる。それに向けて、オリンピックにおけるテニスの歴史や、東京大会での活躍が期待される選手たちを、数回に分けて紹介していこう。まずは、テニスの歴史と選手の選抜方法について。

■第1回大会からオリンピック競技だったが…

1896年にアテネで行われた最初の夏季オリンピックで採用されていたように、オリンピックにおけるテニスの歴史は古い。この時は、陸上や競泳、体操などと一緒に、わずか9つしかなかった競技の一つに選ばれていた。しかし、ITF(国際テニス連盟)の前身であるILTFとIOC(国際オリンピック委員会)がアマチュアとプロの処遇をめぐって揉めたことから、1924年大会を最後に60年以上にわたりオリンピックの舞台から姿を消すことに。だが1988年大会で正式に復活してからはずっと続いており、来年の東京大会がテニスにとっては16度目のオリンピックとなる。

1896年大会は男子(シングルス&ダブルス)のみだったが、1900年大会で女子とミックスダブルスの枠も設けられ、途中で女子ダブルスやミックスダブルスが外れたこともあったものの、2012年大会からは男子と女子のシングルス&ダブルス、ミックスダブルスの5種目が行われている。これは、7月25日から8月2日にかけて開催される東京大会も同じだ。

サーフェスは、近年ではハードコートがメインだが、1992年のバルセロナ大会はクレーコート、2012年のロンドン大会は芝コートと、別のサーフェスになる場合も。東京大会は有明コロシアムのハードコートだ。そして、試合は基本3セットマッチとなる(男子シングルス決勝のみ5セットマッチ)。

■シングルスで2連覇したのはフェデラーでなくあの人

シングルスの金メダリストには、男子ではアンドレ・アガシ(アメリカ)、ラファエル・ナダル(スペイン)、アンディ・マレー(イギリス)ら有名選手の名前が並ぶが、意外にもグランドスラム歴代最多優勝(20回)を誇るロジャー・フェデラー(スイス)の名前はない。彼が持っている金メダルは2008年大会のダブルスで得たもので、シングルスでは2012年大会でマレーに敗れて準優勝に終わったのが最高成績だ。金メダルを4つ持っているのはアメリカのウイリアムズ姉妹。ビーナスとセレナが組んだダブルスで3度優勝したほか、シングルスでも1度ずつ栄誉を手にしている。また、シングルスで2度金メダルに輝いたのは男女を通じて一人だけで、2012年、2016年大会を連覇したマレーだ。

国別の出場回数は、前回大会時点でイギリスとフランスが1904年大会以外の全大会に出場しており最多の14回、続いてアメリカ、ハンガリー、スウェーデンが12回、ドイツが11回、そして日本、スイス、スペイン、オーストリア、イタリア、デンマークが10回で続く。

■「ランキング上位」以外に必要なもの

オリンピックの男女シングルスに出場できるのは64人。64人中56人はATP/WTAランキング(東京大会の場合、2020年6月8日付け)上位勢から選ばれるが、各国最大4人までという上限があるため、56位以内に同じ国の選手が5人以上いた際には、57位以下の選手が代わりに選ばれることになる。また、残る8人はITFの推薦によって選出される。とはいえ、ランキング上位なら必ず出場できるわけではなく、それに加えてオリンピックまでの4年間に「デビスカップ」もしくは「フェドカップ」に3回出場し、そのうち1回は前年か開催年に出場するという条件も満たさなければならない。

東京大会開幕まで約8ヶ月。次回からは、東京オリンピックでの活躍が期待される選手を取り上げていきたい。お楽しみに!

(テニスデイリー編集部)

※写真は2016年リオデジャネイロオリンピックでメダルを獲得したデル ポトロ(左)、マレー(真ん中)、錦織(右)

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)