3月以来、2度目の代表招集となった鎌田大地(フランクフルト)が、モンゴル戦で代表初ゴールを決めた。



モンゴル戦で代表初ゴールを決めた鎌田大地

「あんなシュートの打ち方は今までのキャリアでもない」

 そう苦笑いする82分のヘディングによるゴールは、相手GKがシュートを防いだこぼれ球を頭で押し込んだものだった。これまで日本代表のFWといえば大迫勇也(ブレーメン)に頼り、その不在時はどうしたらいいのかがさっぱり見えなかった。相手がFIFAランク183位のモンゴルとはいえ、大迫に代わる選択肢となる可能性を示した。

 61分からの出場ながら、この日のチーム最多タイの4本のシュートを放った。鎌田は、ようやく生まれた得点に安堵していた。

「(今日は)めっちゃ外していましたからね。ドイツでも入らない時期がすごく続いていたので、『やっとか』くらいでした。ふだん、ああいう(FWらしい)シュートの打ち方をしないシーンが多くて、自分のセンスのなさというか……」

 鎌田が「ふだんはしない」「センスがない」という表現を使うのは、鎌田の本職が攻撃的MF、トップ下だからだ。所属のフランクフルトでは、ほかに強力なFWがいるため、布陣が1トップであっても2トップであっても、トップで起用されることは考えにくい。むしろ状況次第ではボランチでプレーすることもあるほどで、あくまでも「中盤よりの選手」と認識されている。そういう起用のされ方だから、この日の得点シーンのように、こぼれ球に詰めて強引に自分で得点する機会自体が、あまりないのだ。

「ストライカーとしては全然センスがないなと思いながら、久しぶりにFWとしてプレーして、あれだけチャンスを作れたということは、いいポジションにはいたということ。そこはすごくプラスに捉えられるところかなと。練習さえすればシュートももっとよくなると思う」

 身長180㎝は日本では長身の部類。FWでのプレー経験もありそうなものだが、鎌田がFWのポジションに入るのは森保ジャパンが初めてだ。

「FWは、人生で代表でしかやったことがないので、代表に来て新しいことにチャレンジしている。慣れるまで時間がかかるかなと思いますね。簡単じゃないと思う。相手のレベルが高いわけではないので、今のレベルならできると思いますけど、上を見た時にはどうなのかなと……」

 代表で新たな役割を与えられることを意気に感じながらも、自らの適性については冷静に見つめていた。

 モンゴル戦は、投入された時点ですでに5-0。内容的にも、ほとんどの時間帯で日本がボールを支配していた。そんなこともあって、鎌田はふだんのような中盤的なプレーを意識することはなく、ピッチに入った時から得点にフォーカスしたプレーを選択した。ピッチに入った当初は1トップなのか2トップなのかがわからず、永井謙佑(FC東京)と何やら話し込んでいた。2トップだとわかってからは、プレーが落ち着いた。

 強くゴールを意識したのは、クラブで得点が取れていないことが「気になっていたから」だと言う。リーグ戦では開幕戦から全7試合に出場しながら1アシスト止まり。得点となると8月11日のドイツ杯1回戦が最後なのだ。

「本当に点が取れてない状況で取れたので、とりあえずよかったなと思います。クラブで点を取れてないことが、僕の中ではすごくあったので、今日みたいにチャンスが多い中で得点して(フランクフルトに)帰れば、自信にもつながる。もう1試合(タジキスタン戦)がすごく大事かなと思います。プロに入ってからのキャリアでも、初ゴールまで時間がかかったけど、取れてからは(続けて)取れているので」

 久しぶりにゴールを決め、森保ジャパンのFWとしての可能性も示したモロッコ戦。手にした手応えを確かなものにするためにも、タジキスタン戦で再びチャンスを得て結果を残したいところだ。