ガンバ大阪が、フラストレーションのたまる試合を続けている。

 ガンバは、J1第19節から第24節まで6戦連続無敗。これだけを聞けば、さぞ好調なのかと思いきや、結果の内訳は1勝5分けとわずか1勝しか挙げていない。

 しかも、第20節からは5戦連続の引き分けで、うち3試合が84分以降の失点で追いつかれた、手痛いドローだったのだ。MF遠藤保仁が「無敗と言っても、5分け(勝ち点5)なら2勝3敗(同6)のほうが勝ち点は上だから」と語るように、これでは好調どころか、土壇場で大事な勝ち点を落とし続けた印象のほうが強くなってしまう。

 とにもかくにも6戦無敗で迎えた、第25節の横浜F・マリノス戦でも、1-3の敗戦。ネガティブな印象をさらに強める結果となった。



横浜F・マリノスに1-3で敗れたガンバ大阪

 今季のガンバは、開幕当初から波に乗れず、黒星先行の状態が続いた。第11節までは、2勝7敗2分けと大きく負け越し。その後一時、J2自動降格圏となる17位にまで転落した。

 そこから少しずつ持ち直すも、なかなかふた桁順位から抜け出せない状況に、この夏、大型補強を敢行。ヨーロッパから呼び戻す形で、FW宇佐美貴史、MF井手口陽介を、さらには5年前の三冠達成時の立役者だった、FWパトリックを獲得し、現状打破を図った。

 しかし、最近の成績が上向いていないのは、冒頭で記したとおり。大型補強後はいまだ勝利がない(宇佐美は第20節、パトリックは第21節、井手口は第22節から出場)。

 三冠を達成した2014年シーズンも、ガンバは開幕当初、J2降格危機に瀕していた。ところが、シーズン途中でパトリックが移籍加入するや大躍進。また、シーズン序盤をケガで棒に振っていた宇佐美も、復帰後はパトリックに引っ張られるようにゴールを量産すると、ガンバはJ2降格を免れるどころか、J1、ナビスコカップ、天皇杯とタイトルを総ナメにしてしまった。

 今季のガンバは、いわば、二匹目のどじょうを狙ったわけだが、今のところ、事は思惑どおりには進んでいない。

 パトリックはここまで4試合出場で2ゴールと、まずまずの結果を残しているが、宇佐美は6試合連続で先発出場しながら、得点は復帰初戦での1ゴールのみである。結果もさることながら、動きを見ていてもキレがないのは、気になるところだ。

 順位のうえでは、第25節終了時点で14位と、降格圏から抜け出してはいる。だが、勝ち点に目を向ければ、17位の松本山雅とは勝ち点4差。J1参入プレーオフ進出となる16位のサガン鳥栖とは、勝ち点1差しかなく、J1残留争いに飲み込まれたままだ。

 そんな勝ち切れない現状を象徴するかのように、横浜FM戦もちぐはぐな試合展開に終始した。

 ガンバはこの試合、まず3-5-2の布陣でスタート。「1週間かけて相手の戦術の対策を、みんなで合わせてやってきた」(井手口)というガンバにとっては、高い攻撃力を持つ横浜FMに「押し込まれるのはわかっていた」(MF小野瀬康介)。ある程度の劣勢は想定内だったはずである。

 だが、実質5バック+3ボランチで守るガンバは、相手の攻撃をどうにか防ぐことはできても、ほとんど攻撃機会を作り出せなかった。

 宮本恒靖監督が、「前線で奪うチャンスがあれば、奪いにいくし、押し込まれてもカウンターを狙いながらという前半だった。いくつかそういう形(カウンター)が見られたと思う」と振り返ったように、たしかにガンバにも数回のチャンスはあった。

 だが、言い換えれば、攻撃できたのはわずか数回だ。低い位置まで押し込まれたあと、奪ったボールをどう攻撃につなげるのか。率直に言って、その形を見出すのは難しかった。まして、前半のうちに先制ゴールまで許してしまっては、勝利はおぼつかない。

 後半早々に追加点を許したあと、遠藤、パトリックを同時投入し、布陣も4-4-2へとシフトチェンジ。これが功を奏して1点を返し、その後も圧倒的な攻勢の時間を作ったが、パトリックの同点ゴールがオフサイドの判定で幻に終わると、それを境にガンバの勢いは衰えてしまった。

 結局、78分にダメ押しの3点目を奪われ、万事休す、である。

「ヤットさんが入って、システムを変えて、ハマっている感じがあった。個人としてもやりやすかったし、チームとしても前からいけて、全体的にはよかった」

 ボランチの井手口がそう語ったように、システム変更が試合の流れを変えたのは間違いない。初めから4-4-2でやっていれば……。嫌でもそう思ってしまう試合展開である。

 とはいえ、遠藤が「今日のような(リードされる)展開だから、4-4-2もハマった」と言い、「アグレッシブにゲームを進められなかったのが、敗因のひとつ」としたように、本当の問題はシステムうんぬんではないのだろう。

 たしかに、2点をリードされたあとの攻撃だけを見れば、迫力があった。同点に追いついていても不思議はなかったし、それを今後への光明と見ることもできる。

 しかし、勝てない試合が続いているため、どうしても慎重に(悪く言えば、消極的に)試合に入ってしまい、後手に回って先に失点。その後は開き直って前に出るも、時すでに遅し。結局は、悪い流れを断ち切れない。身も蓋もない言い方をすれば、勝てないときとは、こういうものなのかもしれない。

「どこかで流れを変えていければ。変えていくのも自分たち次第。下を向いているヒマはない」

 遠藤は若手を鼓舞するように、そう語る。だが、すでに大型補強という手まで打っている今、流れを変えるきっかけを見つけるのは簡単なことではない。