文=鈴木健一郎 写真提供=日本バスケットボール協会急造チームが試合を重ねるごとに成長、中国を倒す8月22日と23日に中国の雄安で行われた『3x3ウーマンズシリーズ』。日本からはA代表とU23のチームBが参加し、いずれも決勝トーナメントへ進出…

文=鈴木健一郎 写真提供=日本バスケットボール協会

急造チームが試合を重ねるごとに成長、中国を倒す

8月22日と23日に中国の雄安で行われた『3x3ウーマンズシリーズ』。日本からはA代表とU23のチームBが参加し、いずれも決勝トーナメントへ進出。A代表は準決勝で中国A代表に敗れたものの、U23がファイナルに進出。その中国A代表に22-8と大勝し、大会を制した。

A代表は篠崎澪、内野智香英、三好南穂、馬瓜ステファニーというメンバー。篠崎のドライブと三好のシュート力を武器に準決勝までスムーズに勝ち上がったが、中国A代表との試合ではこの2人がともに167cmのサイズ不足が響き、接戦を演じるも13-17で敗れた。

22歳の田中真美子と西岡里紗、20歳の宮下希保、19歳の山本麻衣が登録されたU23のチームBは、準決勝でU23中国と対戦。こちらは山本こそ165cmと小さいが、西岡が186cm、田中が180cm、宮下が178cmとサイズのあるチームで、山本のオフェンス能力を最大限に生かすために他の3人が身体を張ってディフェンスとリバウンドに奮闘。試合を重ねるごとに山本にディフェンスを引き付けて他の3人に点を取らせる形も確立して、U23中国を20-11と寄せ付けなかった。

決勝で対戦した中国A代表は、試合途中に攻守の要である長身選手がケガを負うアクシデントにも見舞われたが、それを抜きにしてもU23日本代表の勝負強さ、4人の連携が光った。宮下は「急遽チームを編成して大会に参加した形でしたが、試合を重ねるにつれてチーム内でのコミュニケーションも増え、それぞれの個性が出せた大会になった」と優勝を喜んだ。

山本麻衣「みんながリバウンド拾って打たせてくれた」

昨年から3x3に本格的に取り組んで国際経験を積む山本は、3x3特有の戦い方を完全に理解した様子。一瞬の隙を逃さずクイックリリースで放つ2ポイントシュートは脅威だし、相手がそれを警戒すればスピードに乗ったドライブでブチ抜き、世界チャンピオンの中国A代表をも圧倒した。

「個人的には、初日はシュートが全然入りませんでしたが、みんながリバウンド拾ってくれて打たせてくれたので思い切って打ち続けることができ、決勝などの大事な場面で決められました」と山本自身がコメントしたように、チームの支えがあってそのオフェンス能力が爆発した。

東京オリンピックに向けた選手選考の場でもある『3x3ウーマンズシリーズ』は、9月6日と7日にモントリオール大会が、そして9月21日と22日には東京大会が行われる。