<B1リーグ:レバンガ北海道78-85アルバルク東京>◇4日◇最終節◇札幌・北海きたえーる今季限りでの現役引退を表明していたレバンガ北海道・桜井良太(41)が、ラストゲームで3点シュートを決めた。A東京戦に、今季9度目の先発出場。試合には敗…

<B1リーグ:レバンガ北海道78-85アルバルク東京>◇4日◇最終節◇札幌・北海きたえーる

今季限りでの現役引退を表明していたレバンガ北海道・桜井良太(41)が、ラストゲームで3点シュートを決めた。A東京戦に、今季9度目の先発出場。試合には敗れたが、3得点をマークした。通算857試合を戦い抜いた「北の鉄人」が惜しまれながらユニホームを脱いだ。チームは17勝43敗、東地区7位で全日程を終了した。

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桜井が鉄人ぶりをファンの記憶に焼き付けた。試合は第3クオーター(Q)に逆転を許して敗れたが、随所に見せ場があった。第1Qの最初の攻撃は寺園脩斗主将からのパスを受けてゴールに向けてドライブ。シュートは惜しくも外れ、「前が、がら空きだった。引退だなと思いました」と冗談を飛ばした。

第2Q残り3分、デモン・ブルックスからのパスで3点シュート。「1本スリーポイントを決められたのは思い出に残った」。第4Q残り1分11秒でコートに戻ると、元チームメートのA東京橋本とのマッチアップで6116人の観衆を集めた本拠地は盛り上がった。残り5秒で放った最後のシュートが外れると頭を抱えた。「バスケ少年のようにやれた」。現役ラストゲームを最後まで楽しんだ。

試合後の引退セレモニーでは涙を流した。「体がもう無理だなっていうのはあったんですけど、なかなか引退を決められず…」と声を詰まらせた。拍手の後、「自分がいる意義を探しながら5シーズンくらいプレーしていました」と続けた。両チームの選手らによる胴上げでは、背番号にちなんで11回、宙を舞った。「長いなと思いましたけど、いい経験になりました」。

一転し、引退会見は終始笑顔。「これ以上ない引退を迎えられたと思ったので、すっきりしています」と心境を語った。今後は「北海道にいたい。レバンガに関わることができれば」と思い描いた。「優勝に絡めるチームづくりをしていきたい」。現役時代に見られなかった景色を追い求める。【石井翔太】