恵まれた体格と高い身体能力を武器に、未来の日本サッカー界を担う長身GKがいる。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つオビ・パウエル・オビンナ選手(流通経済大学)。関東大学サッカー名門チームの絶対的守護神として君臨し、現在はチームの副キャプテンも務めている。さらに、卒業後は横浜F・マリノスに加入することが8月22日に発表された。

5歳で近所の少年チームに入団したオビ。「1つのボールに相手チームも含めた22人が関わり続けることが魅力」だと感じ、サッカーに夢中になった。最初はFWだったが、小学校4年生でGKを任されるようになった。GKの難しさは、ミスが失点に直接繋がってしまうことだ。「GKにしかわからない空気感がある」と、オビは言う。得点を決められる立場ではないため、目に見える形での勝利への貢献は少ないが、ピンチで抑えた時に他の選手たちから感謝される瞬間は何にも代えがたい。

※コーチとキーパー練習に取り組むオビ(写真中央)

数々のプロサッカー選手を育てた中野雄二監督は「ミスも含めて経験」と、1年生の頃からオビを起用し続けてきた。彼の能力の高さや反応の良さは、名将も高く評価し認めている。感情を激しく表に出すタイプではないが、素直で謙虚な姿勢に加え、様々な試合経験を積んで真面目に吸収していく。オビのキーパーとしての技術は、大学入学後に飛躍的に向上した。

8月20日付で「2019年JFA・Jリーグ特別指定選手」として横浜F・マリノスへの加入が内定したオビ。「大学から先の進路はプロに進むか、競技を辞めるかしかない。自分はプロに進むけれど、競技を辞める仲間も含めてその夢を応援してくれる。仲間がいるから夢を叶えられる」。試合に出場する選手、スタンドから応援してくれる部員たち。仲間の大切さを誰よりも背負い、感じている。自分1人のものだけではなくなったプロへと続く夢を追って、日本、そして世界を舞台に活躍できる選手を目指して、彼の挑戦は続いていく。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、オビ選手を特集しています。
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オビ・パウエル・オビンナ
埼玉県出身。1997年12月18日生まれ。193センチ、85キロ。福島県広野町立広野中学校、福島県立富岡高校(JFAアカデミー福島)を経て、現在は流通経済大学スポーツ健康科学部4年。200名を超える名門サッカー部でトップチームの守護神を任されてきた。U-22日本代表にも選出されたほか、来シーズンより横浜F・マリノス加入が内定。今後のさらなる活躍が期待される。