3年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指し、現在ア・リーグ東地区で熾烈な優勝争いを演じているレッドソックス。オリオールズ、ブルージェイズと3チームが、わずか2ゲーム差の中で、ペナントレース制覇を競っている。■激戦首位争いに勝ち抜くため補強を重ね…

3年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指し、現在ア・リーグ東地区で熾烈な優勝争いを演じているレッドソックス。オリオールズ、ブルージェイズと3チームが、わずか2ゲーム差の中で、ペナントレース制覇を競っている。

■激戦首位争いに勝ち抜くため補強を重ねたが「やっぱりタザワ」!

 3年ぶりのワールドシリーズ優勝を目指し、現在ア・リーグ東地区で熾烈な優勝争いを演じているレッドソックス。オリオールズ、ブルージェイズと3チームが、わずか2ゲーム差の中で、ペナントレース制覇を競っている。

 レッドソックスは1日(日本時間2日)のウェーバー手続きを経ないトレード期限を前に、上原浩治をはじめ怪我人が続出したブルペンを中心に補強を敢行。ダイヤモンドバックスから右腕ジグラー、ツインズから右腕アバドを獲得した。さらに、左膝を手術し、長期離脱かと思われた守護神キンブレルが戦列復帰。優勝に向けて戦力が整いつつある中で、地元紙「プロビデンス・ジャーナル」電子版では「レッドソックスで重要な救援投手は、やっぱりジュンイチ・タザワ」と題した記事で、セットアッパー田澤純一の重要性について力説している。

 8年目の生え抜き右腕の田澤は、8月1日現在、今季39試合で登板して2勝1敗、防御率3.22という数字を残している。失点したのは8試合のみ。7月3日(同4日)エンゼルス戦の後で右肩の張りを訴えて故障者リスト(DL)入りしたが、同22日(同23日)ツインズ戦で戦列復帰してからは、4試合(4イニング)連続無失点に抑えている。

■DL復帰後は4イニング無失点、決め球スプリットにキレ戻る

 DL入り前は決め球のスプリットが浮いてしまい、バットで捉えられることが多かったが、戦列復帰後はキレを取り戻した。記事では、今月1日(同2日)マリナーズ戦で、8回に勝ち越しの三塁走者を背負いながらも、強打者クルーズをスプリットで三振に仕留めた場面を例に挙げ、「タザワの十八番スプリットが戻った」と絶賛している。記事では「DLから復帰後は、とても状態がよく見える」というファレル監督の田澤評を紹介。一方で、通訳を介して「スプリットがよりいい感じで投げられている」と話した田澤の様子も伝えている。

 レッドソックスが世界一に輝いた2013年、田澤はプレーオフ17戦のうち13戦に登板し、7回1/3を投げて1失点しかしていない。記事では「レッドソックスが10月勝ち進むには、前回同様重要な存在となるはずだ」と、さまざまな経験を持つ右腕に期待を寄せている。また、新加入した左打者のスペシャリストでもあるジグラーを要所に温存するためにも「左右両打者を打ち取れるタザワは貴重」と指摘している。

 決め球スプリットにキレを取り戻した田澤が、持ち前の勝負強さを発揮して、再びチームのワールドシリーズ優勝に貢献できるのか。メジャー屈指のセットアッパーに成長した右腕の活躍に注目したい。